なぜ、堀先生はそんなに本をたくさん書けるんですか?
なぜ、堀先生はそんなに本をたくさん書けるんですか?
よくこう訊かれる。
学級通信や雑誌原稿をよく書いている人に一般的にこういうことは訊かないだろう。「なぜ、そんなにたくさんの学級通信を書けるんですか?」とか「なぜ、そんなにたくさんの雑誌原稿を書けるんですか?」と訊く人はあまりいない。前者は日常と化してるからであり、後者は依頼が来てなんとかひねり出しているに過ぎない。僕の本も多くは日常と化しているから書けるものに過ぎないし、依頼が来てなんとかひねり出しているものに過ぎない。
しかし、年に一冊くらいはそうでないものもある。今年度、僕はまだ未刊のものも含めて十四冊の本を上梓することになっているが、そのなかで「日常の延長」でもなく、「依頼によってひねり出したもの」でもないものが二冊ある。一つは『スクールカーストの正体』(小学館新書)であり、もう一つがこれから出る『義務教育で培う国語学力~授業づくりの10の原理/100の言語技術』(明治図書)である。前者は8年程度の、後者は20年程度の研究成果をまとめたものだ。かけた時間、集めたデータが他の書とは桁が違う。
例えて言うなら、僕の多くの本はミュージシャンがリリースするシングル盤のようなものだが、年に一冊か二冊出している長年の研究成果をまとめているものはフルアルバムに当たるといった感じだろうか。その他はアルバムづくりのためにシングル盤のリリースを重ねてネタ収集をしたり、実験を繰り返したりといった趣の本なのだ。なかにはフルアルバムから「ここが甘いな…」と感じた観点を取り出して、シングルカットしたなんていう趣の本もある。あまり良い例えではないかもしれないが、こういう言い方が割とわかりやすいと思う。
たぶん、僕がアルバムとして書いた本は、以下だと思う。もしも僕が本気で書いたものに興味を持っていただけるなら、これらを読んでいただけると良いかもしれない。この6冊は僕の他の著作と提案性の規模が違う。ただし、これらの著作の提案性を理解するためには、読者にもそれ相応の力量が必要かもしれない。
『絶対評価の国語科授業改革・20の提案』(明治図書/2003年)
『一斉授業10の原理・100の原則 授業力向上のための110のメソッド』(学事出版/2012年)
『教師力ピラミッド 毎日の仕事を劇的に変える40の鉄則』(明治図書/2013年)
『反語的教師論』(黎明書房/2014年)
『スクールカーストの正体 キレイゴト抜きのいじめ対応』(小学館/2015年)
『義務教育で培う国語学力~授業づくりの10の原理/100の言語技術』(明治図書/2016年)
あとは割と気楽に書いているエッセイのようなものやある年の実践報告のようなものが多い。『国語科授業づくり入門』(明治図書/2014年)『教師力入門』(明治図書/2015年)の2冊だけは、例えて言えばベストアルバムのような趣を呈しているかもしれない。
長く表現したり主張したりし続けるということは、そういうことなのだと思う。
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