音楽

OK!!! C'MON CHABO!!!

「仲井戸麗市リスペクト・アルバム」と題されたトリビュート・アルバムが届いた。

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NAKAIDO “CHABO” REICHI RESPECT ALBUM

2011

参加ミュージシャンは奥田民生、ザ・クロマニヨンズ、斎藤和義、TRICERATOPS、寺岡呼人、桜井和寿、さだまさよし、宮沢和史、Leyona、浜崎貴司、吉井和哉、曽我部恵一、YO-KING。もちろん、CHABO自身もゲスト参加。

「チャボに出会わなかったら、僕はここにいなかった」発起人、寺岡呼人が彼ら世代のアーティストに呼びかけ実現した、仲井戸”CHABO”麗市生誕60周年を記念したリスペクトアルバム……とのこと。

ファースト・アルバムからの選曲が多いことに、やっぱりな……と思う。

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由紀さおり

先月のライヴに行って以来、最近、由紀さおりばかり聴いている。原稿を書いたりブログを書いたりといったときのBGMはほとんどが由紀さおりである。

由紀さおりはぼくが物心ついた頃には既にドリフのコントでしか見ないような、半分お笑い芸人のような扱いをされていた。年に一度、紅白歌合戦で「ああ、この人、歌手だったんだな……」と想い出す、小学生のぼくにはそう見えていた。

ぼくが小学校5年生だったと記憶しているから、1977年だったと思う。その年の紅白で「う・ふ・ふ」という曲を歌う由紀さおりを見た。この曲を歌う由紀さおりに惚れた。当時、由紀さおりは29歳。既に二十代とは思えないような貫禄とおばさん振りを発揮していたのだが、このときの由紀さおりは少なくともぼくにとって色っぽかった。ただ、周りの友達はだれも認めてくれなかったし、その映像を読者のみなさんが見ても、きっと色っぽいとは思わないだろうと思う。

この映像である。

いかがでしょうか。おそらく「ただのおばさん」に見えたことと思う。

でも、もう一度よく聴いて欲しい。この曲はものすごく難しい曲である。例えば、カラオケでこの曲をうまく歌える人はほとんどいないと思う。次の予測されるメロディラインをことごとく裏切る形で進んでいくのである。これをこんなに遊びながら歌う由紀さおりがあまりにも色っぽかったのである。

ああ、由紀さおり。

また、札幌に来たら、彼女の歌を聴きに行こう。何度でも何度でも聴きに行こう。

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単純な永遠

B43b46020ea0d12532d09110_l__sl500_a単純な永遠

沢田研二/1991

「シンプルな永遠」と読みます。沢田研二のアルバムとしては完成度が高いとの評判で、最も高値で取引されているアルバムです。吉田健プロデュース時代のアルバムで、ロックとバラードとがバランスよく配された、聴き飽きないタイプのアルバムです。ぼくは「ニュー・ソング」「月のギター」といったバラードが好きですが、「この僕が消える時」のような当時の沢田研二の状況を彷彿させるような、同時代批判的な曲もあります。

この後、沢田研二が吉田健から離れてセルフ・プロデュースの道を歩んだことを思えば、そしてそのどれもがいま一つ完成度の高さを感じさせないことを思えば、吉田健の力量のすごさを感じさせられる……というものです。何度も書いていますが、この80年代後半から90年代半ばまでの沢田研二のアルバムはほんとうに良いです。

みなさんにもお勧めしたいところですが、アマゾンでは最安値で13,829円ですから、ちょっと一般には手の出ない値段ですね。おそらくファンでさえ簡単には買おうと思わないでしょう。ぼくは持っていて良かったなと思います。

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好きな曲/シングル

YOU TUBEを見ていたら、リンクしておいていつでも見られるようにしておこうと思ったので、この頁をつくることにしました。いずれ、「人生のトップテン/シングル編」にまとめていこうと思います。

【女性】

色彩のブルース Midnight Dejavu/Ego-Wrappin'

いっさいがっさい/奥村愛子

思秋期/岩崎宏美

わたしの1095日/岩崎宏美

月見草/岩崎宏美

【男性】

シクラメンのかほり/布施明

落ち葉が雪に/布施明

明星/沢田研二

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NON POLICY

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沢田研二/1984

なんだか毎日、沢田研二が聴きたくてたまらなくなっている。それもだんだん時代が遡っていくのを感じている。今日も何枚か聴いたのだが、何枚目かにこのアルバムがあった。久し振りに聴いて、いいアルバムだな……と感じた。昔からなんとなく物足りない印象を抱いていたアルバムだったのだが、POPなコンセプトがちゃんと成功しているな、という思いを抱いたのである。南佳孝とか佐野元春とか原田真二とか楽曲提供者にも迫力がある。そしてそのどれもがほんとうに出来がいいのだ。クリス・レアの曲まであるのには驚いた。沢田研二自身の曲は2曲。何度かリピートして聴いたが、聴いていて耳障りのいい曲が多いのが特徴。心地よいアルバムである。

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告白-CONFESSION-

「人生のトップテン」から漏れた名盤を何枚か……。

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沢田研二/1988

先日のブログでは沢田研二のアルバムを「彼は眠れない」にするか「告白」にするかでずいぶんと迷った。「明星」という曲が学生時代から大好きで、その他にも「女びいき」とか「DEAR MY FATHER」とか名曲が目白押し。作詞は全曲沢田研二自身。確か「Co-CoLO」というバンドを率いて2枚目のアルバムだったと思う。

沢田研二には珍しく、少々バラードを基調とした地味目のアルバムだが、それだけに沢田研二のうまさと凄味を感じさせてくれるアルバムである。80年代後半から90年代前半の彼のアルバムはほんとうに完成度が高い。40歳前後、不倫騒動から始まった不遇の時期に入り、歌にそれまでにないソウルが感じられるようになる。

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人生のトップテン/中間まとめ

一昨年の年末に石川晋の今年のアルバムトップテンを見てから、自分の40年以上の人生を通して、好きなといおうか、影響を受けたといおうか、自分の人生の一部になっているといおうか、そんなアルバムトップテンをつくってみよう……なんていう気になった。

去年の1月から1年以上、CDラックから選んだ50枚程度の候補アルバムを、車の中で聴き続けた。当然のようにかなり迷ったわけだが、結局、高校から大学時代にかけてよく聴いていた元春とかレベッカとかパーソンズとかバービーとか、ああいうものは一時の流行としか思えなくなってきた。

結局、以下のようなものに落ち着いた。まずは邦楽編である。

51b1kp7vqol__sl500_aa300_1位 THE 仲井戸麗市 BOOK

仲井戸麗市/1985

トップテンを決めるにあたって、このアルバムの1位だけはまったく動かなかった。このアルバムだけは無人島に行くときにも、天国に行くときも、たとえ地獄に堕ちたとしても、絶対に手放すことなく持って行こうと思っている。アルバムはすべて聴いたし、ライヴもずいぶん行ったけれど、すべてのアルバムの中で、このアルバムが群を抜いている。同じ頃によく聴いていたZELDAやSHOW-YA、大江慎也、そしてあの、清志郎のソロ第一弾でさえ、迷った挙げ句にトップテンから落としてしまったけれど、CHABOのこのアルバムだけは落とす候補にさえなることもなく、どのアルバムよりもぼくを高揚させ、どのアルバムよりもぼくも切なくさせ、どのアルバムよりもぼくをなぐさめてくれる、そういうアルバムだという確信のもとに聴いていた。このアルバムを聴いたことがないという四十代以上の男性を、ぼくは気の毒な人生だとさえ感じる。サウンドも歌詞も、もちろんギターテクも、そして語りも、すべてが完璧である。

  

41iu3v6hzhl__sl500_aa300_2位 静かに水の流れが岸をけずる

山木康世/2000

ぼくにとってのこのアルバムの価値をひと言でいうなら、「癒し」である。1位にあげたCHABOのアルバムはぼくにとって過去を確かに踏み固めながらも前進するイメージであるのに対し、このアルバムはちょっとひと息、立ち止まるイメージである。ここだけの話しだが……、(とブログでいうのもおかしな話なのだが)ぼくは出勤途中、車の中でこのアルバムがかかり始めて聴いているうちに、車を停めて聴き入ってしまったことがある。結局その日はそのまま年休をとって道民の森に行って一日過ごした(笑)。論理矛盾を承知でいえば、そのくらい力のある「癒しアルバム」なのである。このアルバムは2000年リリースだから、ふきのとう関連のアルバムとしては割と新しいアルバムであり、ほんとうは「風来坊」とか「DSダルセーニョ」とか、トップテンに入れたい名盤がたくさんあるのだけれど、迷いに迷った挙げ句、やっぱりこれだな……という結論に至った。今年は札幌の山木さんのライヴはすべて行こうと決意している。

41wa9qfsjxl__sl500_aa300_3位 コトノハ

元ちとせ/2001年

このアルバムはこのブログでも何度も紹介したことがあると思う。もともとは元ちとせのデビュー以前のミニアルバムである。5曲入りのミニアルバム故に、当初、トップテン入りはするだろうが、下位の方だろうなと思っていた。でも、今年、年が明けてからトップテンアルバムを聴き続けているうちに、やっぱりこのアルバムが上位に食い込んできた……という感じである。「わだつみの木」は確かに元ちとせのためにある曲だったけれど、このアルバムに収録されている5曲はどれも元ちとせでなければならない、元ちとせのために生まれてきた楽曲、そういう5曲で構成されているのである。「コトノハ」というタイトル曲が南の国から札幌を想う物語になっていることも、ぼくを捕らえて放さない理由の一つになっている。3曲目の「竜宮の使い」という曲が奏でるメッセージは、教育と成長の本質を突く名曲である。

C83ed0b28fa0624002d09110_l__sl500_a4位 彼は眠れない

沢田研二/1989

ボーカリストとしての沢田研二の能力が頂点に達し、ものすごい作家陣の楽曲をすべてJULIEのオリジナル曲にしてしまっている、すごいアルバムである。作家陣はユーミン、清志郎、徳永、奥居香、その他、新旧入り乱れてのそうそうたる顔ぶれだった。でも、すべてが完全にJULIE節に染められてしまっているのである。この時期の沢田研二はほんとうにうまい。ギンギンのロックが数曲続くと、必ず美しくメロディアスなバラードが配される、そういう繰り返しの感のある、非常に完成度の高いアルバム。。「KI・MA・GU・RE」は清志郎提供の楽曲、かつ清志郎とのデュエットでもあるのだが、これがまた素晴らしく調和している。ただし、ボーカルとしては完全に沢田研二が清志郎を喰ってしまっている。また、「堕天使の羽音」「静かなまぼろし」「ルナ」という3曲のバラードは、沢田研二の数百曲の中でも名曲中の名曲である。80年代後半から90年代前半にかけての沢田研二のバラードはほんとうにいい。ちなみにこの時期のバラードは「AFTERMATH」(1996)というバラードベストとしてリリースされている。なお、このアルバムの先行シングルは冒頭の「ポラロイド・ガール」。これもJULIEらしい曲で、ぼくはいまでもときどき、からカラオケで歌う(笑)。

41dur0nglxl__sl500_aa300_5位 夢みる頃を過ぎても

八神純子/1982

ボーカリストとしての八神純子とソングライターとしての八神純子とが結節点を紡いだのがこのアルバムだと思う。シングルヒットよりもアルバムづくりをという明確な方向転換を見せ、全精力を込めて、渾身の力でつくったアルバムという気がする。1曲だけ、「ナイス・メモリーズ」という原田真二提供の曲が収録されているのも、なんとも八神純子の謙虚さを感じる。タイトル曲「夢みる頃を過ぎても」も美しいのだが、3曲目の「白い花束」という曲が美しい。あの八神純子がおさえながら美しさをつくろうとしているのがよくわかる。さびの部分に自らの声でコーラスを重ねる箇所などは聴いていて泣けてくる。それでいて八神純子のポップな感じを前面に出した曲や、スウィンギーなアレンジを施した曲など、それまでの八神純子らしさも盛り込んでいる。ぼくには「THE 八神純子」というアルバムに思える。

410mwwns3kl__sl500_aa300_6位 ステレオ太陽族

SOUTHERN ALL STARS/1981

デビューからサザンを聴き続けているファンは、1979年に3枚目のシングル「いとしのエリー」によって驚愕とともに桑田の才能を認識させられ、1981年に4枚目のアルバムにあたる「ステレオ太陽族」によって、どこかサザンをコミックバンド扱いしていたサザンファンならぬ多くの人たちを、桑田を認めざるを得ない状況に追い込んだ。そのエポックアルバムは「タイニイ・バブルス」ではないかという人もいるだろうが、ぼくはこのアルバムだと思う。「HELLO MY LOVE」のようないかにもプロローグ的な楽曲から始めて、「MY FOREPLAY MUSIC」と「素顔で踊らせて」という硬軟彩る、それでいてそれまでの日本にはなかったタイプのメロディをたたみかける。この二曲は歌詞のつくりかたも対照的だった。その後、「夜風のオン・ザ・ビーチ」「恋の女のストーリー」とだれが聴いてもいい曲だなあと思わせる楽曲を続けたかと思うと、A面ラストに「我らパープー仲間」なんていう、ああ、やっぱり桑田だ……ってな、めちゃくちゃな曲をもってくる。B面も同様。強烈なピアノで始まる「ラッパとおじさん」から、日本語を完全に壊した「Let's Take a Chance」、曲という概念を壊した「ステレオ太陽族」、この流れを引っ繰り返して美しいメロディラインの「ムクが泣く」をはさんで、「朝方ムーンライト」「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」「栞のテーマ」と美→狂→美を交互にもってくる。中学生のぼくが聴いてもすごいアルバムだと感じたものである。当時、オリコンのアルバムチャートでもずーっと1位だった。この完成度の高いアルバムのあと、「チャコの海岸物語」で再びシングルヒットも飛ばすようになり、国民的に認知されるバンドになっていったのだ。やっぱり「タイニィ・バブルス」じゃなく、「ステレオ太陽族」なのだ。

27996293ae7c69a3d524264c4869edea17位 egoist:エゴイスト 自己中心主義者

松山千春/2002

高校の先輩である中島みゆきもドリカムも落としてしまったけれど、道民の一人としてこの人だけは入れなくちゃと思う。正直、ファーストの「君のために作った歌」(1977)と「空を飛ぶ鳥のように野を駆ける風のように」(1979)と「ガリレオ」(1999)と「La La La」(2000)とこのアルバムとで、どれを入れようかと迷った。でも、現在につながる松山千春の晩年……といっては何だが、完成に近づいてきている松山千春につながる系譜の最初のアルバムが、ぼくにはこのアルバムだと思えるので、敢えて「egoist」を選ぶことにした。タイトル曲を始めて聴いたとき、「ああ、千春は円熟期に入ったんだ」と強烈な印象を抱いたものである。ぼくの中で千春の曲は7パターンあるように感じているのだが、その7つがすべて揃い、しかも、いまだに「egoist」1曲しかない8つ目のパターンまで収録されているこのアルバム。1枚だけ勧めるとしたら、ぼくはこのアルバムだなと思う。

41pp51r2x8l__sl500_aa300_8位 満ち汐のロマンス

EGO-WRAPPIN'/2001

ぼくの一切の思い入れを排し、純粋にアルバムの完成度だけで比較したら、この10枚の中で最も完成度が高いのはこのアルバムかもしれない。それほどにこのアルバムはすごい。いま見たら、アマゾンでこのアルバムのレビューが20件ついているのだが、すべてが★5つだった。そんなアルバムはそうそうないだろう。演奏は天下一品。ボーカルはこんなにうまい日本人がいるのかと思うくらいうまい。R&Bとジャズとブルースと昭和歌謡の融合と、なんというか歴史性まで感じさせる。すごいバンドである。「サイコアナルシス」のシャウトなんかを聴いていると、あまりの感動に躰に震えが来る。よくもこの国にこんなバンドが生まれたものだと思う。

31t5tpyb9gl__sl500_aa300_9位 NIAGARA TRIANGLE VOL.2

1982

ぼくは45年近く生きてきたけれど、すべてのジャンルにおいてこれほど調和のとれた、かつ創造的なコラボを他に知らない。初めて聴いたときからそれほどにしびれている。ぼくをこんなにも惹きつけたのは、大瀧でも元春でもなく、杉真理の存在だと思う。この3人コラボが杉でなく、伊藤銀次でも山下達郎でもこれほどの調和、これほどの心地よさは創り出せなかったのではないかと思う。それほどに「Nobody」「ガールフレンド」「夢見る渚」「Love Her」という杉真理の4曲は、大瀧詠一と佐野元春というそれぞれの強烈な個性をつないでいる。詳しくは企業秘密なので書かないけれど、実はぼくは、「研究集団ことのは」関係のイベントの作り方も、研究の進め方も、思考の枠組みにおいてさえ、この3人コラボの在り方をモデルにしているところがある。「A LONG VACATION」や「FOR YOU」をはずしてさえ、このアルバムをトップテンに入れる所以である。

41hzagpnall__sl500_aa300_10位 Never Again 許さない

岩崎宏美/1999

10位は決められなくて、11枚の中からどれを選ぶかさんざん迷った挙げ句、結局、ぼくがファンクラブに入っている岩崎宏美を選んだ。要するに、11枚の中で、アルバムは同列、シンガーが好きだから、それもルックスが好きだからという理由で選ばれたのがこのアルバムである。でも、それはこのアルバムの完成度が低いことを意味するわけではない。他の10枚とちゃんと同列に並ぶほどの完成度の高さをもっている。筒美京平提供の楽曲で構成された企画盤なのだが、20世紀を締める目にふさわしい名盤である。かつて「想い出の樹の下で」のB面に収録されていた「わたしの1095日」という名曲があるのだが、それをアラフォーの岩崎宏美が20年以上たってセルフカバーした。これがたまらない仕上がりになっている。岩崎宏美の代名詞的な名曲「月見草」も収録。

10位にするのを迷ったあとの10枚は以下です。

うつろひ/さだまさし/1981

臨月/中島みゆき/1981

LION & PELICAN/井上陽水/1982

WELCOME TO YOKOSUKA/渡辺真知子/1983

夜の底は柔らかな幻/久保田早紀/1984

CHARMING/スターダスト・レビュー/1986

私の中の微風/岡村孝子/1986

ROOKIE TONITE/大江慎也/1987

JAPANESKA/THE BOOM/1990

INSOMNIA/鬼束ちひろ/2001

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SCARBOROUGH FAIR/MARIANNE FAITHFULL

51n3bgnizl__sl500_aa300_THE BEST HITS 100」という5枚組の企画盤シリーズがある。いろいろな企画ものがあって、ぼくも何セットか購入して聴いている。その中に「FEMALE VOCAL」という企画があって、買ったままずっと封を開けることもなくCDラックに眠らせていた。昨日あと目がとまって、1枚目から聴き始めた。初めて聴く曲、懐かしい曲、どこか聞き覚えのある曲、ちゃんとアルバムをもっていていつも聴いている曲、いろいろあるわけだが、2枚目の12曲目に聞き慣れた曲なのになんとも新しい世界観を垣間見せてくれる、そんな曲があった。

SCARBOROUGH FAIR/MARIANNE FAITHFULL

1966年というから、ぼくの生まれた年のリリースである。こんな美しい「スカボロー・フェア」をぼくはいまのいままで知らなかったのかと、公開とも懺悔ともつかない不可思議な感慨を覚えた。遅ればせながら出会えて良かったとも感じた。

マリアンヌ・フェイスフルといえば、一時期、ミック・ジャガーの恋人だったか嫁さんだったかした人だ。その程度の知識というか、認識しかなかった。女優かモデルだと思っていたのだが、シンガーだったのか……。そもそも顔も知らないのだから、そんなことを知るはずもない。

それにしても、それまで知らなかった新たな歌を聴いてこんなにも感動したのは久し振りのことである。もういつ以来のことなのか思い出せないほどに久し振りだ。

今夜はこれ1曲を何度も何度もリピートしながら、ゲラと向かい合った。ぼくの場合、美しいボーカルは仕事の集中力を高める。アイディアも出るし、原稿執筆も進む。今日もそのジンクスが証明された。何度か聴き入ってしまうことはあったけれど、校正を今日中に終わらせることができたのはこの曲のおかげである。

美しい曲に出逢うと、それもずいぶんと前からこの世に存在していたそれなりに古い曲に出逢うと、これまでその曲を知らなかった自分の人生が急に色褪せて見えてくる。あのときこの曲を知っていれば異なった選択がなされたのではないか、あのときこの曲を知っていればもっと早く哀しみは癒えたのではないか、そんなふうに思えてくるのだ。

逆に、いまこのタイミングでこの曲に出逢えたことには何か意味があるのではないか、この曲との出逢いがこれからの人生を充実させる契機になるのではないか、そんなあり得ない妄想も抱いてしまう。ぼくにとって美しい音楽はそれほどに重要なものである。

マリアンヌ・フェイスフルの「カスボロー・フェア」はそれほどに美しい。

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チューリップのアップリケ

岡林信康の名曲……というか問題作の一つ、「チューリップのアップリケ」が由紀さおりのアルバム「いきる」(2009)に収録されている。これがとてもいい。

このアルバムでは基本的に、由紀さおりは声色をつくり、幼女を演じている。それが彼女の歌唱力と相俟って、とてもいい仕上がりになっている。いや、これはあくまでぼくの主観であり独断であり偏見であって、岡林信康を古くから聴いている人から見れば、冒涜に聞こえるのかもしれない。

ぼくが小学校から中学校に通っていた頃、「第二次フォークブーム」と呼ばれた時代があった。松山千春、中島みゆき、さだまさし、長渕剛、更にはチャゲ&飛鳥とか雅夢とか岸田智史とか……まあ、それはいいとして、当時のぼくにとって意外だったのは彼らがみな口を揃えて岡林信康の名を口にしたことだった。小中学生が幼いながらも知っているようなかぐや姫とか井上陽水とか吉田拓郎やガロやチューリップやふきのとうではなく、岡林信康とか加川良とか、70年代フォークではなく60年代後半のフォークをオリジンだと主張していたことだった。岡林信康が「フォークの神様」と呼ばれていることも知った。

そしてぼくも、岡林信康を聴いてみた。

「山谷ブルース」も「チューリップのアップリケ」も「手紙」も「くそくらえ節」も、どうも嘘っぽく聞こえて仕方なかった。幼少からのクリスチャンで、大学で神学などを学んだ人間がこんな「山谷」や「被差別部落」のことを本気で歌えるのだろうか。少なくともキリスト者として形成されてきた幼少からの世界観、つまりは日本人離れした世界観でしかこれら日本の現実を捉えられないのではないか……、そんな気がしたのだ。

それから三十数年が経って、由紀さおりにこんな声色で語られると、ぼくがもう四十代になっているという現実と相俟って、妙に納得させられてしまうのである。

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由紀さおり/2009

しあわせ/夜の果てまで/ビールの海/あきらめるのが好き/ひみつの恋/いそしぎ/哀しみのソレアード/かくれんぼ/チューリップのアップリケ/回転木馬/真綿のように

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赤いブーツとつむじ風

また、くだらないものを買ってしまった。昨日飲み会から帰宅すると、amazonから届いていた。べろべろに酔って帰ってきて、中身は何かとわくわくしながら開いてみて、ジャケットを見て自分を嘲笑した。そうだ……これ買ったっけ。

「赤いブーツとつむじ風」という曲がどうしても聴きたかったのである。ぼくが初めて買った榊原郁恵のシングル「いとしのロビン・フッドさま」のB面の曲である。小学校5年生当時のぼくは、A面の「ロビン・フッド」以上にこのB面の曲が好きだった。このアルバムにこの曲がクレジットされているのを見て、もうどんな曲だったかさえ覚えていない、「赤いブーツとつむじ風」がどうしても聴きたくなってしまったのである。まったくボーナスが出ると、どうしても気が大きくなってしまって、しょーもないものまで買ってしまう。悪い癖である。

ところがところが……。

聴いてみると、歌詞を見なくても口ずさめるではないか。自分の脳のどこかにインプットされたまま、三十数年間、保存してあったらしい。最後まで間違うことなく口ずさめる自分に嗤いが止まらなかった。

51su4aqmkfl__sl500_aa300_郁恵の季節

榊原郁恵/1978

めざめのカーニバル/アバンチュール大作戦/甘いお話しもう一度 /恋のパッピドゥー /赤いブーツとつむじ風/雨上りのフリー・ウェイ /いとしのロビン・フッドさま /愛よ夜空を飛んで行け/淋しさが消えるまで /あなた悪魔になあれ /ブンブン・ウキウキ/ラブ・ユー・フォーエバー

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