個性
僕は今年度、3年生5クラスを担当した。3学期は入試直前なので授業はすべて入試対策問題に取り組むだけということになる。国・社・数・理・英の5教科がすべてこのパターンなのだから、生徒たちにしてみれば自習をしに学校に来ているようなものだ。生徒たちはひたすら静かに問題を解く。終了10分前に模範解答が配られ自己採点する。ただそれだけだ。だからこの時期、3年生の教室はどこもとても静かだ。
意外に世の中に知られていないことだが、実は静けさにも個性がある。1組的静けさと3組的静けさは微妙に異なる。2組的静けさと5組的静けさはまるで違う。そういうことがたくさんある。一つの学級にしか行かない小学校教師にはなかなか抱きにくい認識である。
個性というと行事の動きや授業の動き、整列時の動きといった動的なものに対して与えられる傾向がある。しかし、静的なものにこそその集団の個性がよくよく表れるということは確かにあるのだ。教室で級友の意見を聞いているとき、職員会議で発言を聞いているとき、図書館でじっくり調べ物をしているとき、美術館で一つの絵と向き合うとき、人はきわめて個性的だ。
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