「結びつき」の強いクラスをつくる50のアイデア
追試できるものを求める読者と、自分の実践をつくるために構えや考え方を欲する読者とである。前者は「こうすればこうなる」式の本を求めるし、後者はテーマ別に複数の論者を比較対照することを求める。前者はテーマ型・コンテンツ型の本からもKNOW-HOWを取り出そうとするし、後者は「こうすればこうなる」型の本からも著者の構えや思想を読み取る。前者が売れ、後者は売れない。僕はもともと前者タイプの本をあまり書かない。
大野睦仁の処女作をかなり念入りに読んだ。「こうすればこうなる」式の本としてはかなり丁寧な本である。最後の授業づくりはおそらくいらない。コンテンツが違うのだから、別の1冊にするべきだったと思う。でも、初めて書く著作だから、こうした質の違うものも入れないと頁が埋まらなかったのかも知れない。ただこういうことをすると、最後の最後にテーマが揺れる。このあたりは次回作の課題なのだろう。
いずれにしてもこの著作が一つの思想に貫かれているのは確かだ。ただし、著作としてはオリジナリティが足りないし、編集者の意向かもしれないが本来ネタとして語るべきではないことがネタとして提示されている箇所も少なくない。僕の知ってる大野睦仁の著作としては60点といったところだろうか。
取り敢えず、大野睦仁の処女作の刊行を素直に喜びたい。
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