« 人生を貫く問題意識の効用 | トップページ | 性的イメージとの親和性 »

地域性

〈スクールカースト〉には地域性がある。これも見逃せない視点だ。基本的に〈スクールカースト〉は都市のものだ。各学級に三十数人とか四十人とかがひしめく。学年全体では数百人いる。そういう学校でこそ、〈スクールカースト〉は効力を発揮する。決して全校生徒十数人とか、小中併置の児童生徒あわせて数十人とか、そういう学校では機能しない。

次章で詳しく述べるけれど、〈スクールカースト〉の決定要因は「コミュニケーション能力」である。自分の意見をしっかり主張できるとか、他人を喜ばせる得意技をもっているとか、他人に対して思いやりをもっているとか、周りのノリにあわせてどんどん盛り上がれるとか、こうした他人とのコミュニケーションを円滑に運ぶことのできる能力をたくさんもっている者ほどカーストが高い。その意味で、ルックスの良さも他人を喜ばせる能力・資質の一つなのだと考えるとわかりやすい。こうした能力に格付けは小さな学校では機能しない。

例えば、日本全国、温泉街の学校では、児童生徒の間に厳然とした格付けがあって、なにをどうやっても逆転不可能ということがある。しかし、それはホテル王の孫とそのホテルで働く仲居さんの息子が同じ学級に所属しているといった場合であり、その格付けは大人たちの格付けと相似形をなしている、そんな地域の実態が学校に悪影響を及ぼしているに過ぎない。〈スクールカースト〉のように子どもたち独自の世界観が形成している格付けではないのだ。同じ意味で、農村や漁村をはじめ、第一次産業や第二次産業が主たる産業となっていて、大人達のステイタスの影響をそのまま子どもたちが受けやすい構造になっている町村でも、〈スクールカースト〉は機能しにくい。

|

« 人生を貫く問題意識の効用 | トップページ | 性的イメージとの親和性 »

書斎日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1154987/59855178

この記事へのトラックバック一覧です: 地域性:

« 人生を貫く問題意識の効用 | トップページ | 性的イメージとの親和性 »