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5冊並行読みの効用

私は5冊の本を並行して読むことにしている。もちろん、一度に5冊の本を広げて読むわけではない。読書する場が5箇所あって、それぞれ異なる本を読むのだ。それぞれが平均すると1週間で読み終わる。新書や小説の文庫本などは1週間かからずに読み終わるので、ほぼ週平均7、8冊は読むことになる。1年にすれば400冊近くになるわけだ。この読書法を始めて、既に30年近くが経つ。

まず、読書第一の場は書斎である。じっくり腰を落ち着けて読まなければ理解できないようなタイプの本は書斎で読む。暇な時間を見つけては書斎で少々難解な書物を開く。自分があまり興味のないテーマではあるけれど、今後の為に読まなくちゃな……というタイプの本を読むのも書斎でだ。滅多にないことだが、学術書を読むのも書斎である(まあ、年に10冊程度だろうか)。

私は家にいる時間のうち、寝ている時間を除けば9割程度は書斎に籠もっているので、これだけでも相当な時間と言える。自分では平均して日に何時間書斎に籠もっているのか、自分では意識していないのでよくわからない。例えば最近、私は『体験と認識ーヴィルヘルム・ヴント自伝ー』(ヴィルヘルム・ヴント著/川村宣元・石田幸平共訳・東北大学出版会)という400頁以上の大冊を書斎で読んだけれど、この程度の本なら書斎だけで10日程度で読み終えた。そのくらいは書斎に籠もっているわけだ。

読書第二の場はトイレである。ここは新書や文庫のエッセイを読むことが多い。あまりに難しいものを読むと通じが悪くなりそうなので(笑)、トイレではスルスルと頭に入ってくるようなタイプの本を読むことにしている。これまて滅多にないことだが、漫画を読むのもトイレだ(私はほとんど漫画を読まないので、これも年に10冊あるかないかといったところである)。

読書第三の場は職場である。朝読書の時間、特にやるべき仕事のない授業の空き時間、ちょっとした隙間時間(自習監督中や会議に人が集まるまでのちょっとした時間、その日予定の仕事を終えて勤務時間が終了までの待ち時間など)などをあわせると、けっこうな時間になるものだ。もちろん同僚に見られては「あいつはさぼっている」と思われるので、校内にどこか一人になれるスペースを確保して読むことになる。前任校では教育相談室、現任校では国語教材室が私の読書スペースだ。

読書第四の場は就寝前のベッドである。ここでは小説を読む。もちろん読んでいるうちに眠くなれば寝る。眠くならずにかえって目が冴えてくることもある。この習慣をもっていると、自分が好きなタイプの作家とそうでない作家がよくわかってくる。私は村上春樹は目が冴えるけれど、村上龍は眠くなる。開高健は目が冴えるけれど、大江健三郎は眠くなる。東野圭吾や松本清張には目が冴えるけれど、百田尚樹や浅田次郎は眠くなる。桐野夏生や川上弘美は目が冴えるけれど、三浦しをんや湊かなえは眠くなる。ファンの皆さんには申し訳ないけれど、自分のこうした特性が見えてくる(笑)。

読書第五の場は移動時間である。学校で読む本は鞄に入っているし、書斎にしてもトイレにしてもベッドにしても家で読む本は家にあるわけだが、移動時間で読む本はポケットに入っている。必然的にこの移動時間で読む本は文庫か新書になる。それも腰を落ち着けて読むわけにはいかないので、軽いタッチの実用書が多い。例を挙げれば「知的生き方文庫」とか「幻冬舎新書」「ベスト新書」といった類だ。毎朝、勤務校に着いて勤務時間が始まるまでの時間(私は勤務時間が始まる3分前になるまで校舎内に入らないことにしている。この時間は大切な読書時間だ)、外勤に出て待たされている時間、車で移動している際の信号待ちの時間などで読む。信号待ちの間にその本がおもしろくなって車を停めて道端で読んだり、ファーストフード店や喫茶店に入って読むなどということはしょっちゅうだ。こういう読書も貴重である。

5冊並行読みは確実に私の読書量を増やしている。

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