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新刊『教師力入門』まえがき・あとがき

まえがき

みなさん、こんにちは。堀裕嗣です。札幌で中学校の国語教師なんていうヤクザな仕事をしています。そもそもがヤクザな仕事に就いているのに、私の仕事振りは更にヤクザです(笑)。そんなヤクザな教師にもそれなりの理屈があるもので、それを皆さんにご紹介したいと本書をしたためました。

私の考える「教師力」は三つの要素でできているように自分では感じています。一つ目に、出世なんか考えず、組織の中心に行きたいとの志ももたず、基本的には職員室の端っこ、社会の端っこの方で教職という仕事を目一杯楽しみたいという姿勢です。二つ目に、負担をみんなで分かち合い、成果も楽しさもみんなで分かち合う、だれか一人が突出するのではなく、みんなでまあそこそこの教師生活を送ろうよ、というような共同性意識が挙げられます。三つ目には、自分の教師生活のなかに知的生活習慣を成立させようという意識が色濃くあります。まあ、外に向けて自己主張できる程度の発言権と発言力くらいはもちたいな、ということですね。

この三つが有機的に繋がり、不可分に融合して、私という教師が存在している。そんな実感があります。

本書が皆さんのお役に立つか甚だ心許ないのですが、まあ四半世紀近く教職にいる者の話でも聞いてみるかという気持ちで、気軽にお読みいただければ幸いです。

あとがき

本書は私がここ数年で、さまざまな共著書や教育雑誌に書き散らした文章を「総論」「スキル」「行事」「仕事術」の四つの章に分けて一冊にまとめたものです。その多くは「THE教師力」シリーズに書いた文章をもとにしています。ただし、このシリーズの原稿が4頁を基本としているのに対し、本書は6頁を基本にまとめています。シリーズ原稿で書き足りなかったところ、少々考えが変わったところについて、現在の視点から加筆修正してまとめているわけです。

私は現在、四十代をそろそろ終えようとしている年齢で、教師生活も四半世紀になろうとしているところです。四十代というのはまずまず仕事をまわせるようになっていて、仕事上のことで困るということがほとんどありません。それでいて責任は重くなり、仕事の半分近くが他人のフォローになるという年代でもあります。そんな仕事の仕方をしていると、若い教師やメンタル的に弱いタイプの教師たちが何に戸惑い、どこで躓いているのかということを日常的に意識しながら仕事をすることになります。そうした日常生活で考えたこと、見えてきたことが本書には遺憾なく発揮されている……そう自負しております。

「THE 教師力ハンドブック」シリーズは「~入門」という書名で入門書の体裁を仮象しておりますが、実はどっこい、言葉遣いが易しいだけで中身は本格的なものが多いという特徴をもっています。著者としては本書もその流れを汲んだつもりでおりますが、なにせ「教師力」などという総論中の総論を、地方の中学教師が一人で書いているわけですから少々の偏りがあるのはお許しくださいませ。そこを責められても私としては「ごめんなさい」という他ありません(笑)。読者のみなさんには、「堀裕嗣の偏った教師力入門」くらいのつもりでお読みいただければ私としては幸いです。

本書の内容は札幌市立北白石中学校勤務の6年間に私が考えたこと、私が出会った人とのエピソードを中心に綴っています。かつて学事出版から上梓した「10原理・100原則」シリーズは前任校の札幌市立上篠路中学校実践をもとにしていたわけですが、自分であのシリーズと比較してみると、ずいぶんと考え方が変わったなとか、広がったなとか、深まったなとか、そういうところをたくさん見つけることができました。五十に近くなっても、「ああ、自分はまだ成長過程にいるな」「自分はまだ発展途上にあるな」と自覚することができて、ちょっと嬉しく思いました。私としてはなにより、成長が止まったら教師として終わりだなと思っていますから。

今後も教職を楽しみながら、自分の成長を自覚できるような人生を送れたら……と切に願っているところです。

MANIC MONDAY/THE BANGLES を聴きながら…
2015年3月9日(月)自宅書斎にて 堀 裕嗣

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