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人(登場人物)

文学的文章は、叙景詩など極一部を除いて〈人物〉が登場します。多くの場合、文学的文章(特に物語)を読ませることは人物を読ませることと言っても過言ではありません。その意味で、登場人物を規定することは文学的文章を読み取るうえで必須の作業となります。〈設定読み〉においては、物語の登場人物を明らかにするとともに、主人公・対象人物・脇役・端役などを整理することは、小学校低学年から中学校に至るまで文学他的文章読解の基礎中の基礎です。私は次のように整理しています。

a 登場人物 …物語において実際に活躍(行動や会話)する人物であり、原則として動植物は含まない。ただし、ファンタジーやメルヘンなどにおいて、動植物が擬人化されている作品においてこの限りではない。

b 主人公 ……物語の最初から最後まで登場する登場人物であり、対役との関係において精神的な成長を遂げる。一人称視点で語り手を兼ねることがあり、また、三人称限定視点では、唯一、内面が描かれる登場人物となる場合が多い。場合によって「主役」と呼ばれることもあるし、「対役」とあわせて「中心人物」と呼ばれることもある。

c 対象人物 …主人公と最も多くやりとりする登場人物であり、事件を起こして物語を進展させる役割を担うことが多い。主人公に精神的成長をもたらす役回りを担う場合が多い。

d 脇役 ………主人公・対役以外の主要な登場人物。

e 端役 ………その他の登場人物。

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