文章構成
文章表現には構成意識が大切です。〈主想〉をわかりやすく伝えるために、提示する順序を組み立てて書くということです。義務教育を想定した場合、教師は次の六つを意識すると良いでしょう。
a 起承転結 … 漢詩の構成を取り入れた四段階の文章構成で、一般に物語創作・生活作文に向いているとされる。
b 双括型 …… はじめとまとめで二度にわたって結論を提示する文章構成で、一般に論説・評論に向いているとされる。
c 頭括型 …… 最初に結論を提示する文章構成で、一般に短い文章に向いているとされる
d 尾括型 …… 最後に結論を提示する文章構成で、多くの文章がこの構成を採用している。
e 無括型 …… 主張を明確にしない、序・本・結を明確にしない文章構成。情緒的な文章に適しており、随筆に向いているとされる。実は非常に難しい感性的な文体であり、多くの場合「駄文」となるので注意が必要である。
f 順次法型 … 事実・事件の経緯について順次性を第一義として提示する文章構成。一般に、記録文・報告文に向いているとされる。
この他に、市毛勝雄が『説明文の読み方・書き方』(明治図書・一九八五年)で提唱した説明的文章の構成「起承束結」が義務教育の作文指導ではかなり有効です。私自身は自分の授業においては日常的に用いていますが、一般的にこの呼び名は市民権は得ていません。興味がおありの方は一読をお勧めします。
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