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情報化社会

現在はほんとうに情報化社会なんだろうか。先週の木曜日、湯川さんと後藤さんの話を職員室でしていてるうちに、若い教師たちがスンニ派とシーア派の違いを知らないのだということがわかって卒倒しそうになった。こんな基礎的な、というかテレビのニュースを見ていればわかるような一般常識を、というより今回の事件の起こる背景と切り離せないレベルの知識をもたずして語られる「テロはやっぱり許してはいけないですよね」は、いったいどんな意味で語られているのだろう。少なくとも僕には想像すらできない。例えば、彼らのなかで、それはアメリカの猟奇殺人に近い感覚で捉えられているのではないだろうか。アメリカの猟奇殺人と今回の殺害の違いを彼らは自分なりの言葉で説明できるのだろうか。「テロを許してはいけない」は「殺人を許してはいけない」と同様の意味で語られているのか。情報化社会とは無限のどうでもいい情報によって、世界を認識する最低限の知識さえ埋没させてしまう社会なのかもしれない。

いずれにしてもいわゆる「学力低下」とは異なった問題がこの国で起こっている気がする。学力低下よりは平和ぼけに近いイメージの深刻なものが。

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