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まえがき四つ

まえがき(「THE 説得~学級指導編」)

教師の武器はたった二つ。即ち「言葉」と「表情」である。その場に相応しい表情を伴った言葉を一般に「語り」と言う。教師は「語り」によって子どもたちを導かねばならない。それが教師の仕事である。

学級づくりにおいて、学級担任がこうした自分らしい、それでいて子どもたちの心に響く「語り」を身につけているか否かは、学級経営の成否を決めるほどの重要な要素である。ある教師は穏やかに、ある教師は和やかに、ある教師は毅然とした態度で、ある教師は精一杯の自分を演出しながら、子どもたちの心に響く「表情」と「言葉」を武器に語る。その「語り」が子どもたちに少しずつ機能していくにし違って、その教師らしい「色」が学級に形づくられていく。そういうものだ。

「語り」は教師に、その人にしか醸せない「味」をつくり出す。その教師なりの「味」を醸し始めたとき、教師は初めて周りの教師たちのだれもが認めざるを得ない存在感を示し始める。そういうものだ。

本書は「説得」をテーマに、学級担任が子どもたちの意に反して教師の意図に導こうとするときの「語り」について自己分析していただくことにした。20人の中堅・ベテランの教師に、自らの教師としての「語り」の妙を披露していただく。そういう企画である。
  本書が「教師力」を身につけたいと願う若い教師たちの一助となれば、それは望外の幸甚である。

まえがき(「THE 説得~生徒指導編」)

教師の武器はたった二つ。即ち「言葉」と「表情」である。その場に相応しい表情を伴った言葉を一般に「語り」と言う。教師は「語り」によって子どもたちを導かねばならない。それが教師の仕事である。

生徒指導や生活指導において、教師がこうした自分らしい、それでいて子どもたちの心に響く「語り」を身につけているか否かは、生徒指導の成否を決めるほどの重要な要素である。ある教師は穏やかに、ある教師は和やかに、ある教師は毅然とした態度で、ある教師は精一杯の自分を演出しながら、子どもたちの心に響く「表情」と「言葉」を武器に語る。

しかし、最近の子どもは自分の非を認めないことが多いと言われる。相手も悪いと自分だけが悪者にされるのを徹底して拒む傾向も見られる。他人の気持ちを慮ることが苦手で、自分から見た視座だけを根拠に主張し、最後までそれを曲げない傾向もあるとされる。こうした子どもたちと対峙したとき、教師はいかに語るべきなのか。

本書は「説得」をテーマに、教師が子どもたちの意に反して生徒指導を施そうとするときの「語り」について自己分析していただくことにした。20人の中堅・ベテランの教師に、自らの教師としての「語り」の妙を披露していただく。そういう企画である。
  本書が「教師力」を身につけたいと願う若い教師たちの一助となれば、それは望外の幸甚である。

まえがき(「THE 連絡」)

通学路の工事の概要、変質者の出没、地域で起こった事故、交通安全指導などなど、子どもたちに注意を喚起する連絡がある。

その日の日程の確認・変更、その日の集会の動き方、給食や清掃関係の特別な取り組み、プリントの配付と提出締切の確認、児童会・生徒会の委員会の開催、部活動関係、落とし物・忘れ物の紹介などなど、子どもたちに周知しなければならない日常的な連絡がある。

朝の学活は学級担任の連絡でいっぱいだ。しかも帰りの学活では朝に確認した事項を再度確認して徹底する必要もある。教育委員会の通達に伴う連絡などは、教師が指導を忘れれば、不測の事態が起こった場合には責任問題にまで発展することさえある。学級担任は子どもたちが理解しやすいように、しかも子どもたちの心に響くように連絡事項を伝えなければならない。そうでなければ、アリバイづくりの連絡になってしまいかねない。

本書では、担任教師が子どもたちに連絡事項をどのように伝えるべきか、その細かな工夫点について集めることを目的とした。執筆者には若手・中堅・ベテランをバランスよく配し、低学年・中学年・高学年・中学校の発達段階にも大きく配慮した。

本書が日常的な教師力を高めていきたいと願う多くの読者にとって少しでも参考となるなら、それは望外の幸甚である。

まえがき(「THE 報・連・相~職員室根回しの原則」)

事前に報告をしておかなかったために壊れてしまった人間関係って、いったいどのくらいあるのだろう。事前に連絡や相談をしておかなかったがために通らなかった提案って、いったいどのくらいあるのだろう。どれもこれも「聞いてないよ」というひと言で片付けられてしまう。日本人は事前に耳に入っていればどうってことないことでも、自分の耳に入っていなかったことには抵抗を示す。職員室も同じだ。「聞いてないよ」はすべてを引っ繰り返すことのできる魔法の言葉だ。

逆に言えば、先に耳に入れておきさえすればすんなり通るはずなのだ。みんな年齢を重ねるに従って、要所を司る人たちの耳に入れておくべき情報を、ポイントを考えながら伝えるようになる。あなたの学校にもいないだろうか。どう考えても通りそうもない無理な提案を、なぜかすんなりと通してしまう人が。会議には表立って見えてこない、「ちょっといいですか?」と始まる打ち合わせという名のホウレンソウ……。即ち、報告・連絡・相談。

本書では、会議で提案を通すための、職員室の人間関係を円滑に進めていくための、自分のやりたいことに心置きなく取り組んでいくための、ありとあらゆる報・連・相事案を具体例として取り上げ、そこから「報告・連絡・相談」の原則を抽出しようとする試みである。本書が「どうも職員室の人間関係がうまくいかない」と悩む教師たちに少しでも参考になれば幸いである。

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