ツイート六つ・1
1.教師に必要な資質。第一にいつも笑顔でいること。第二に孤独に耐える力をもつこと。第三に無駄を大切にすること。第四に必要なときに馬鹿になれること。第五にいつでも変われること。いまを壊し、新しい自分になるのを怖れないこと。
【コメント】
僕は「言いきる人」であり、「読みにくい文章を書く人」であるらしい。でも、言い切ることと読みにくいこととは僕のなかでは同じことです。僕の文章が読みにくくなるのは、できるだけその主張の想定範囲を縮めて確定してしまおうとするから。言い切れるのはこれだけ想定範囲を縮めたんだから、こう言いきって良いという確信があるから。僕の文章はこれでも20年前よりは随分とわかりやすくなっているんですよ(笑)。
2.いつも笑顔でいること。どうしたら笑顔でいられるかを基準に毎日の生活を見直してみること。何があれば、どんなストレスがなければ笑顔でいられるのか、それを真剣に考えてみること。笑顔でいられない自分と向き合ってみること。
【コメント】
僕は現在の学校がたいへんだと思ったことはありません。時間に追われるということもありません。忙しいと思ったこともありません。子どもや保護者と深刻な対立に陥ったこともありません。ストレスらしいストレスも抱えたことがありません。みんないまの学校をたいへんだと思いすぎているのではないでしょうか。学校の先生よりも楽でストレスのない仕事が世の中にあるような気がしないのです。正直、僕らは幸せだと思っています。
3.孤独に耐える力をもつこと。流されている自分と向き合うこと。対立を避ける自分と向き合うこと。対話に臆する自分と向き合うこと。孤独に陥ることを怖れずに、必要な自己主張をすること。
【コメント】
「孤独に耐える力」をもてと言っているのであって、孤独になれとか孤立せよとか孤高を通せとか言っているわけではありません。教師に「孤独に耐えられる」という自信がないと、さまざまな場面で判断を誤るよと警鐘を鳴らしているのです。孤独に陥ることを怖れずに必要な自己主張をすることによって「対話」が成立し、初めてWin-Winも模索できるのです。相手が子どもであっても、保護者であっても、同僚であっても同じです。
4.無駄を大切にすること。無駄の積み重ねから有効性が導かれることがある。意味を求めすぎないこと。無意味の積み重ねが意味を産み出すことがある。この二つを経験則として血肉化すること。
【コメント】
待てない世の中になりました。すぐに結果の出ないものは無駄と言われるようになりました。みんなが消費者になったのです。消費者は結果を消費するものであって過程を消費するものではありません。消費社会とはそういうものです。この子に指導しても無駄だ、この親にしてこの子あり、そういう判断の仕方は教師が消費者感覚になっていることを意味します。10年後に芽が出る指導もある。このスタンスが無駄を大切にすることです。
5.必要なときに馬鹿になれること。ちっぽけな自意識からも、つまらない自意識からも、過剰な自意識からも解放されること。周りの人たちとの力学を見極め、自分を座標上のドットと位置づける視座を忘れないこと。自分が相対化されるような地図をもつこと。
【コメント】
必要なときに馬鹿になれること。必要なときとはどんなときなのか。馬鹿になれるとはどんなことなのか。それを考えるためには自分を相対化しなければなりません。ちょっと難しい言葉で言うと、自分を「メタ認知」できなければなりません。自分が可愛くて、常に自分のためにばかり生きている人は、人前で馬鹿になることに必要以上の抵抗を示します。自分を落として笑いを取る大人が近くにいるとき、子どもたちは和やかになります。
6.いつでも変われること。いまを壊し、新しい自分になるのを怖れないこと。自信をもつこと。いまを壊せないのは知らない世界に行く自信がないから。新しい自分が経験するであろうことに対応できる自信がないから。自信がないから現状維持を好むのだと知ること。
【コメント】
教師の仕事はごくごく簡単に言えば「子どもに変われと言い続けること」です。それなのに、自分は頑なに変わることを拒否する。そういう教師が多過ぎます。先生はオレ達にあれやれ言うけれど、先生はエラぶってまったく自分の言うことを変えないじゃないか。子どもたちからそういう声が聞こえてきます。変容しようという指向性のない教師は教壇に立つ資格がありません。僕は強くそう思っています。
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