まえがき二つ
まえがき
学校に対して自己中心的で理不尽な要求を突きつける保護者を揶揄した「モンスターペアレント」という語が登場して、そろそろ10年を迎えようとしています。教育界で議論されるのみならず、ドラマ化されたり、実際に法的に訴える教師が出たりと、世論をあげて話題になった語としても知られています。
その一方で、この語がいたずらに学校と保護者とが対立する構図を煽っているという識者の声や、保護者は本質的にはかつてと変化していないという現場の声も聞こえてきます。実は、私自身、「モンスターペアレント」と呼びたいほどに、保護者と深刻な対立に陥ったという経験がありません。私自身もまだまだ保護者は「話せばわかる」人が多いのではないかというのが実感です。
さて、確かに世の中には「モンスター」と呼ばれても仕方ない保護者というのがいるのかもしれません。しかし、そうした深刻なクレーム、学校と保護者の深刻な対立が生じる以前の段階で、教師の対応に不備・不足はなかったのでしょうか。保護者の立場を顧みることなく、学校の論理、職員室の論理ばかりを押しつけることによって、保護者からみれば心ならずもクレームをつけざるを得なかったということはないのでしょうか。
本書はこのような視点に立ちながら、保護者の立場や真情に理解を示しながら、教育活動をスムーズに進行させていく手立てを考えます。
まえがき
中学校の文化祭・学校祭において、ステージ発表は「花形」である。成功すれば生徒からも職員からも大絶賛を浴び、失敗すれば「こんなステージならやらない方がマシだった」と批判される。こうした反応があること自体が「花形」である何よりの証拠である。成功すれば生徒たちの満足感も大きく、成長も大きいと言える。
しかし、それだけに、教師にとってはプレッシャーのかかる領域でもある。ステージ発表の指導に自信をもっている教師も少ない。自信をもてぬ教師にとっては、まさに「イチかバチか」の賭けのようなところがある。多くの教師がステージ発表の成功と生徒たちの成長の像を具体的に描くことができずに尻込みしてしまう。それがステージ発表である。
本書はまず「理論編」として、長く演劇部の顧問を担当し、新卒以来、文化祭・学校祭では常にステージ発表を担当してきた編者が、ステージ発表づくりのま基礎技術を提案する。また、「実践編」として、ステージ発表を得意とする者から不得手とする者までが、ステージ発表を成功に導く手立てを自分なりにまとめて、演目のアイディアとともに提案する。
本書がステージ発表に挑戦してみたいという若手教師に、また、少しでも自らのステージ発表の質を高めたいと願う中堅・ベテラン教師に少しでも糧となるならば、それは望外の幸甚である。
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