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THE 新採用教員~中学校・高校編

まえがき

かつて新採用教員は失敗を繰り返しながら力量を高めていきました。若さが武器になる、若さで体当たりでやればいいんだ、そう言ってくれる先輩教師が周りにたくさんいました。そして失敗すれば周りの先生がちゃんとフォローしてくれました。そういう時代が確かにありました。

しかし現在、新採用教員がスムーズに仕事の内容を覚えていく、新採用教員が少しずつ、しかも自然に力量を高めていく、そういう時代ではなくなってきています。子供たちの変容に戸惑い、保護者のクレームに晒され、大量の事務仕事に押し潰され、周りの忙しそうな先輩たちにHELPを出すこともできなくて、そんな声をよく聞くようになりました。夢や希望を抱いて教職に就いたはずなのに、ふと気がつくと目の前の仕事をただこなすだけの毎日……。1年が経った頃には日常に埋没していく。そんな事例が増えているようにも思えます。

本書は新採用から5年以内の若手教師の皆さんに執筆をお願いしました。新規採用の1年間のエピソードを振り返り、何を感じ何を考えていたかを振り返り、良かった点、足りなかった点を振り返っていただき、もっとこうしていれば良かった、いまの自分ならこうするだろう……そんな新採用の1年間の心構えを3~5点にまとめていただきました。本書が新規採用教員の皆さんに、また、これから教師を志す皆さんに少しでも参考になるなら、それは望外の幸甚です。

あとがき

いま、13人の新採用教員時代の原稿を読み通して、そこにある種の構造を見出しています。大学卒業からストレートで採用された教師には「何がわからないのかさえわからない」という構造が、臨時採用を経て正規に採用された教師には「臨時採用時代の学校との職員室の文化の違いに悩む」という構造があるのです。「何がわからないのかわからない」なら「少しずつ覚えていけ」ということになりますが、学校による職員室の文化の違いということになると、果たしてその責任を新採用教員に帰して良いのだろうかと疑問を感じます。

特に、臨時採用時代には職員室がチームで動いていたのに、正規に採用された学校ではチームで動く慣習がなかった……という場合には、精神的に深刻な状況に追い込まれます。この構造は決して新採用教員にのみあるのではありません。中堅・ベテラン陣でさえ、転勤に伴うこの構造には大きく悩まされる現実があります。この学校教育全体にある悪しき構造を放っておいてよいとは、私にはとても思えません。

突然の執筆依頼を快く引き受けてくださった若い教師の皆さん、そして温かく若者たちを見守る先輩教師の視線を提案してくださった池田修先生、山下幸先生に改めて感謝申し上げます。

L'aquoiboniste/Jane Birkin を聴きながら
2013年11月22日 自宅書斎にて 堀 裕嗣

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