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甘え

日本人は甘えられると断れない人が多いって知ってますか? 日本人は甘えられると断れないだけでなく、意外と頑張っちゃうって知ってますか?

異性でうーんと年上の先生。甘えちゃいましょう。

異性でうーんと年下の先生。甘えちゃいましょう。あっ、「若手教師編」だからそんな人いないか……(笑)。

同性でうーんと年上の先生。甘えちゃいましよう。それも「頼りにしてますオーラ」をばりばりに出して(もちろん、見透かされないようにためらいがちに出している演技は必要ですよ)、甘えちゃいましょう。

2、3年先輩の先生。異性でも同性でも甘えちゃいましょう。「先生なら若手の気持ちわかりますよね」って感じを出して、甘えちゃいましょう。

と調子に乗り過ぎた感もありますが、「甘えられる」ということはとても大切なことです。それは「ヘルプ」を出すことを意味するからです。後に「人間力」の項で詳しく述べますが、「ヘルプ」を出すことはとても大切なことなのです。

この原稿を書いているのは2013年3月26日(火)です。昨日が平成24年度の修了式でした。私は現段階で4月1日(月)から1学年主任になることが決定しています。現在、入学受付や入学式の準備、学級編制や年度計画、生徒指導の先生方の動きをつくったりと大忙しです。それでもついさっき、私はTWITTERで次のようにつぶやきました。

「新年度関係の文書を次々につくる。今日は4月3日まで乗り切った。明日は生徒たちと逢うところまでは行きたいなあ。それにしても、意外と僕のこれまでのやり方でやっていれば、ハイペースで仕事が進んでいくということがわかった。学級編制もほぼ終わった。特別活動のシステムもほぼ終わった。」

この文面を見ますと、すべてを私がつくっているように見えますが、そうではありません。学級編制は私の学年の男性若手教師二人がつくったのであり、特別活動のシステムは副主任の女性教師がつくっているのです。私は双方ともに打ち合わせには参加していますが、こうこうこういう方針でと言っただけで「あとは任せる」と言いました。この日私がつくったのはあくまで4月3日までの学年の先生方の動きと学年会提案文書だけなのです。まあ、それでもA4判(1枚あたり50字×55行/私はすべての提案文書を9ポイントでこの様式でつくります)15枚ですから、決して少なくはないですけれど。

10日ほど前でしょうか、私は新年度の体制がある程度見えてきたところで、若手男性教師二人には「学級編制を頼む」、副主任の女性教師には「全学級一致して取り組める学級組織・日直・当番活動・学級日誌等のシステムを作って欲しい」とお願いしました。「自分が一人でやっていては首がまわらない。かと言って、4月1日から始めたのでは間に合わない。」と説明しました。「ここは助けてください。お願いします。」というわけです。もちろん、どちらもその人ができると思ったからお願いしたわけですし、これまでこの3人の学級経営を見ていて、得意としている分野についてお願いしたわけです。だからこそ、ちょっとした打ち合わせで「任せる」とも言えるわけですね。

その結果、3人はそれらの仕事をこれ以上ないというほどにしっかりとやってくれました。4月1日(月)で充分に間に合う学級編制は3月26日(火)時点でほぼ完成しているわけですし、4月8日(月)で充分に間に合う特別活動のシステムは3月25日(月)にはほぼ完璧な形(当番表や点検表、学級日誌の様式等を含む二十数枚の文書)でできあがっていました。まだ学年組織も結成していないというのに、私はもうこの人たちといっしょに頑張ろうという気になっています。絶対にこの先生方と「いい思いをしよう」と。

まだあります。実は新年度の私の学年には、今年副担任で務めていて次年度初めて担任をもつ若手女性教師がいるのですが、今日、この先生にもお願い事をしました。

「実は、きみには初担任だから心の準備もあるだろうと思って新年度準備で雑務をさせないように配慮したかったんだけど、いろいろ新年度準備期間をシミュレートしているうちに、どうしても当てにしなければ回らないってことがわかってきた。いろいろお願いしたいことがあるんだけど、いい?」

彼女は笑顔で「はいっ」と答えてくれました。いろいろお願いをした後、「この件、完全に任せてしまってもいいかなぁ? わからないことがあったら、いつでも訊いていいから。」と確認しました。私が彼女に頼んだのは、他人にお願いするのが申し訳ないような雑務です。しかし、彼女は私がお願いしたことについて、その1時間後には段取りをつけてしまっていました。

私は教職23年目です。23年目でも、「困った」「自分だけでは回らない」と思ったら即座に「ヘルプ」を出すのです。できることはやってもらう。できないことはやってあげる。できればそれぞれの得意技を発揮してもらう。私にはそんな意識を強くもっています。こういうのが私にとって、「甘える」ということです。

若い読者の皆さんは驚くかもしれませんが、私は生徒にも甘えます。授業や学級活動で生徒たちと約束することがありますよね。授業なら「次の時間までにこれこれを用意しておくよ」とか「次の時間までに調べておくよ」とかいうこと、学級なら朝学活で「帰り学活ではこれこれをしなくちゃならないよ」とかいえ場合ですね。こんなとき、私は「オレ、忘れそうだから、授業の冒頭ですぐ言ってね」と学級全体にお願いしておきます。学級全体にお願いするだけでなく、「全員忘れたら困るから、亜希子、責任者ね」などと、しっかりめの生徒を指名して頼んでしまいます。「そろそろ、先生はその準備をした方がいいなあ……という時間帯になったら、例えば昼休みとかね、オレをつかまえて『先生、例の件、そろそろ準備始めないと間に合いませんよ』とか言ってくれると、もっと嬉しいなあ……」などと果てしなく甘えます。私が嘘つきにならずに済むのは生徒たちのおかげなのだと言っても過言ではありません(笑)。

読者の皆さんは既におわかりのことと思います。先生だって忘れないように保険をかける……。これは結果的に一つの指導となっています。そのうえ、コミュニケーションの一つの形、一つの潤いにもなっているのです。

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