昨日から今日にかけて、新刊『教師力ピラミッド 毎日の仕事を劇的に変える40の鉄則』(明治図書)を割と時間をかけてじっくりと読みました。自分の新刊をじっくりと読んだのは、おそらく初めてのような気がします。
僕は教育書をビジネス書のつもりで書いていますが、今回の著作は本当にレイアウトもビジネス書的になっています。
とにかく、視点をたくさん出すことを優先順位の第一に考えて書いた本なので、ここから派生していろいろなコンテンツがつくれそうだなという印象を抱きました。例えば、「FMCチームワーク指導」「教師の事務力を高める仕事術」「教師の力量形成の在り方」「学習指導要領と学術研究のあいだ」「学級経営の相対評価」といったものです。特に「FMCチームワーク指導」と「学級経営の相対評価」は、現場の先生方に意外と知られていない指導のキモのような気がしています。
さて、今回刊行された「教師力ピラミッド」は、私の本としては珍しく、「教師力」の全体像を割と過不足なく展開できたのではないかと感じています。
私の本は不足を指摘されることはあまりないのですが、過足を指摘されることが多々あります。読んでいるうちにお腹一杯になってしまって、とても自分にはできない……という印象を抱いてしまうらしいのです。村岡さんをはじめとして、よくこの指摘を受けます。
特に『必ず成功する「学級開き」魔法の90日間システム』(明治図書)の書評はほとんどがそういった指摘でした。私としては正直、このくらいのことはやらなくちゃいけないだろう……と思っていますが、具体的な担任の動きから学年団の動かし方、年度当初の授業の枠組みづくりまで書いた著作でしたので、私は親切心のつもりで全部書き込んだのですが、読む側にとっては辛かったという側面があったようです。
しかし、おそらく、今回の著作にはそういうことはないでしょう。手前味噌ながら、自分で読んでいても、大変読みやすい本だという印象をもちました。するすると頭に入ってくるとでも言うのでしょうか。それでいて、若手教師へのメッセージと中堅・ベテラン教師へのメッセージが、40の鉄則すべてについて語られているので、若手は「ベテランになったらこんなことを考えなければならないのか」と感じることができ、中堅・ベテランは「そうそう。若いときはこういうことに気をつけなくちゃならないんだよね」と懐かしむことができる、そんな構成になっています。
そういう意味では、僕の著作の作り方において、一つの形ができたかな……という感慨を抱いています。
しかし、次の著作『エピソードで語る教師力の極意』(明治図書)は、これとは真逆の書き方を敢えてしました。これはもう『魔法の…』などとは比べものにならないほど、お腹一杯になって消化しきれない書き方をしています。こんなものをだれが読むのだろうか、と自分でも思うほどです。
ただ、どちらが僕らしいかと言えば、間違いなく、『エピソード…』の方が僕らしいのです。そういう意味では、次の著作こそ、自分自身が心から愛着をもてる著作になるだろうと感じています。
今年は他にも、エンターテインメント性を意識してみたり、チェックリスト型の学級経営マニュアルをつくってみたり、国語学力の体系を提案してみたりと、実験的な著作に取り組んでみようと考えています。
こうした意味での第一弾が『教師力ピラミッド』です。
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