戸惑っている
何度か書いてきたけれど、僕にはこの本が何故売れるのかよくわからない。みんな僕のネームバリューとお世辞まじりに言ってくれるけれど、そんなことはあり得ない。僕の新刊が出れば必ず買うという人は全国に1000人程度だ。書店で立ち読みをした人たちがぱらぱらとめくり、「よし!買って読んでみよう」と購入した……そういう人がいっぱいいるということだ。僕にはそれが不思議でならないのだ。
学事から出している「10原理・100原則シリーズ」ならまだわかる。一部から「イラストがシンプルでかわいいてとはいえ、あんな文字ばかりの本が売れるのは奇跡だ」とも言われるけれど、それでもこのシリーズは視点がある程度整理されていて、書店で立ち読みしても自分に役立ちそう、全体像を理解できそうといった感覚をもつことができる。しかし、『教師力アップ…』は違う。あれは言わばエッセイ集に過ぎない。ツイッターのつぶやきを解説するというひと工夫はなされているけれど、基本的には即役立つというタイプの本ではない。ビジュアル的な工夫も何一つない。
もしもこういう教育書にある程度の需要があるのだとしたら、多くの教育書出版社が需要を見誤っているのではないか、とさえ感じるほどだ。もちろんビジュアル的な工夫がなされている本やHOW TO本への需要は高い。しかし、そういう本がいやだという読者を教育書出版業界は掘り起こしてこなかったのかもしれない。少なくともこの10年、僕はそういう読者だった。「読みたい教育書がないよね」という会話を仲間内でしたことは、この10年間で100回は軽く超えると思う。
実は教育書がビジュアル、HOW TO重視一色に染まってしまい、多様性がなくなってきている、その隙間にはまったのかもしれない。それ以外にこの本が四刷になるなんていう理由が見当たらない。
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