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体罰もいじめ 報告義務 対策法自民案

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012790070814.html

おかしな議論だ。体罰は「いじめ」ではなく法律違反なのではないか。別問題なのではないか。「いじめ」の概念を拡大しすぎだ。むしろ、もっと「いじめ」の定義を狭くした方がいい。

「児童、生徒に対して一定の人的関係にある者が行う心理的、物理的な攻撃で、児童らが心身の苦痛を感じているもの」をいじめの定義とする。「物理的な攻撃」は果たしていじめなのだろうか。犯罪なのではないか。ネットの悪口も少なくとも不特定多数に誰のことなのかがわかる時点で犯罪なのではないか。

体罰を法的に規定するように、現在「いじめ」と呼ばれているものも、警察に任せる領域のものと学校に任せる領域のものとを峻別すべきなのではないか。結局、また、世論をごまかし、曖昧な法案で学校を困らせるだけのものになってはいないか。権力を与えずに対応だけを迫られてもできるわけがない。

また、これまで以上に学校に抱え込ませることになる、非現実的な提案である。こういう学校幻想、教育万能論を建前としたシステムを敷くのはやめて欲しいものだ。こんな法案、実効性はほとんどない。教師に捜査権を与えるとか、ネット情報を調べる部署をつくるとか、警察を常駐させるとか、懲戒権の発動の裁量を拡大するとか、何らかの権限の確保が必要になる。

これまで「いじめ」とか「体罰」とか呼んでしまったことによって、学校問題にされてしまった犯罪がどれだけあったことだろうか。闇鍋パーティじゃあるまいし、なんでもかんでも入れて煮ればいいというもんじゃない。去年の大津と今年の大阪だけ、いじめと体罰だけを考えるからこういう提案になる。

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