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法則化後

最近、私と同世代の教師が書く教育書がずいぶんと売れているようです。赤坂真二、池田修、石川晋、岩瀬直樹、菊池省三、佐藤幸司、俵原正仁、土作彰、中村健一、桃崎剛寿、山田洋一、渡邉尚久……私はこの現象を見ながら「ああ、やっと法則化後がやってきたのだな」と感じています。

これら四十代から五十歳前後の実践家たちはみな、「教育技術の法則化運動」に本格的に参加することのなかった人たちです。言ってみれば、「遅れてきた世代」です。まったく見向きもしなかった人から少しは囓った人まで様々ではありますが、私も含めて、みな、少なくとも本気で「法則化」の看板を担ぐことはなかった人たちなのです。そういう人たちがスタンスは様々であるにせよ、自分の立ち位置から有益な提案をする時代になった、しかもそれが広く受け入れられるようになってきた、そういう実感があります。

それと同時に、私たちよりもひと世代上ながら「法則化運動」を担ぐことのなかった糸井登、多賀一郎、野中信行、横藤雅人といった人たちもそれぞれが独自の提案を進めています。更には、飯村友和、大前暁政、金大竜、長瀬拓也、藤原友和といった若手教師が台頭し始めています。西川純の『学び合い』も運動体として急激な広がりを見せています。実は私のまわり、つまり北海道にも、まだ名前こそ売れていませんが間違いなく今後全国的な提案を始めるであろう人材がたくさんいます。再び、民間教育がおもしろい時代を迎え始めているのだなと実感します。

私はよく、「発展途上人にこそ学ばなければならない」と言います。80年代後半から90年代前半がそうであったように、発展途上人が提案し合う時代はその世界が活性化している証拠です。こうした渦の中で、私もまたその渦中の一人として提案できることに喜びを感じています。

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