1.仲が良いから良い仕事ができるのではない。仕事が充実したら仲良くなるのだ。その充実した仕事に自分も貢献している一人なんだという思いがチームを創り出すのだ。この順番を間違えちゃいけない。職場を過ごしやすい場にするには、まず仕事を充実させなくちゃいけない。
2.結論ってのは選ぶものなんだ。探すものじゃない。結論を探すから迷って迷って迷子になっちゃうんだ。選ぶときにも迷うって思うかもしれないけれど、それは判断するために迷っているのであって、いくら迷っても迷子になることはない。もう一度言うよ。結論ってのは選ぶものなんだ。探すものじゃない。
3.「やればできる」「話し合おう」「議論が必要です」「自覚をもて」「自信をもて」「油断するな」「楽しくやろうぜ」「勝手にしろ」「きみのためを思って言っている」「そういうの寂しくない?」などなど。こういう言葉を他人に対して吐くとき、人はどこか自分に言い聞かせて、自分を鼓舞しているようなところがある。
4.「やればできる」「話し合おう」「議論が必要です」「自覚をもて」「自信をもて」「油断するな」「楽しくやろうぜ」「きみのためを思って言っている」「そういうの寂しくない?」などなど。こういう言葉を他人に対して吐くとき、人はどこか自分の不安感をかき消そうとしているところがある。
5.ぼくは、人は「自分に何ができるか」ではなく「自分には何ができないか」を最初に考えるべきだと思っています。できないことをやろうとしてそれがうまくいかないと、かえってやらなかったときよりも他人を傷つけることがあります。できないことに取り組み始めないことも重要な作法なのです。
6.一つ失うごとに実感するというのに、失ってみないと気づけない幸せには、やはり失ってみないと気づけない。これを繰り返しながら、人間は少しずつ少しずつ優しくなり謙虚になっていく。しかし、少しくらい優しく謙虚になっても、失ってみないと気づけない幸せにはやはり失ってみないと気づけないのだ。
7.「自」は〈自ら〉と〈自ずから〉と二つの読み方があります。〈自ら〉は自分で意識的にやること、〈自ずから〉は自然に湧き上がってくること。自ら求めるものと自ずから湧き上がるものとをせめぎ合わて自己認識する。〈自ら〉と〈自ずから〉を〈分けて〉考えられたとき、人はそれを〈自分〉と呼びます。
8.楽しいことだけして生きることは不可能ですが、一見楽しくないように見えることに楽しみを見つけることは可能です。人生を楽しんでいる人たちはこの姿勢を無理なく身につけているのです。幸せとはそういうことなのだと思います。
9.喪失の体験は人をひとまわり大きくします。喪失は必ず人を成長させるのです。しかし、いかなる成長好きな人間も好んで喪失しようとは思いません。意図的に創り出した喪失が、不意に訪れた喪失のように人を成長させることはあり得ません。不意に訪れた喪失だからこそ成長で乗り越えるしかないのです。
10.卒業生を送り出したあとのぽっかりと穴のあいたような教室を一人で掃除する。つい先日まで笑顔と喧噪であふれかえっていたはずの空間が真空になっていることに気づく。涙が溢れそうになる。あの豊穣な喪失感を経験していない者は、実はまだ教師になっていないのです。教師の境地に立てていないのです。
11.大切なものがずいぶんと前に失われていたことに気づくことがある。大切なものがずっと前にどこか別の場所に去ってしまっていたことに気づくこともある。そんな失われてしまっていたり去ってしまっていたりしていることが既に自分の一部になってしまっていることに気がつき、唖然とすることがある。
12.昨日はDNAのセミナーがあったらしい。DNAのセミナーと「研究集団ことのは」の例会がブッキングなんてことは、去年までならあり得なかったことだ。そういや、今日は山田くんのセミナーもあったはずだ。みんなそれぞれが活動をし始めている。北海道があちこちで活性化し出している。とても良いことだと思う。「ことのは」も2学期に一つくらいセミナーをやろうかな。おもしろそうな企画はたくさん思いついてるから。
13.OSが不完全なままにいくらソフトをインストールしても機能しません。ソフトをインストールすること以上に大切なことは、OSをヴァージョン・アップさせることです。しかし、年に数回の研究会参加や研究授業といった研修の場程度では、なかなかOSのヴァージョン・アップはできません。
14.「仲良く、楽しそうにしている大人が身近にいること」 これにまさる高い教育効果はありません。
15.人間は我が儘なもので、期待が大きいとプレッシャーがかかると嘆き、期待が小さいとやる気が出ないと嘆く。人間は我が儘なもので、好きな人に大きな期待をかけすぎてつぶしてしまい、嫌いな人に期待できないと告げてやる気をなくさせる。
16.教師の仕事は子どもの疑問に〈答える〉ことではない。子どもの無意識の願いに〈応える〉ことである。
17.保護者から見ると、最も信頼がおける学校というのは、学担・学年主任・管理職と、だれと話しても同じ方針が語られる学校です。「ああ、うちの子のことをちゃんとみんなで見てくれているんだ」と安心できる学校です。組織が同一歩調をとることによって与えられるこうした安心感を軽視してはいけません。
18.この時代、職員室共同性の解体が無意識裡に行われていた教育技術の伝承をも崩壊させてしまっている。おそらく教育史上、現在ほど教育の非科学性のマイナス面ばかりが目立つ時代もなかったのではないか。そしてそれは今後、拡大することこそあれ、縮小する気配はまるでない。
19.数多の教育運動が十数年の後に宗教化したことも一因だが、まさに教育自体が国民的共同幻想に憑かれ宗教化している。そしてその宗教化した国民的共同幻想からは、教育を科学にしようとする者さえ自由ではない。私もまた然りである。
20.午前中は犬の病院へ。血便が出ていたので心配したのだが、ガムを丸呑みして腸が傷ついているとのこと。今日から朝夕、薬の日々である。それにしてもずいぶんと待たされた。スーパーに買い物に行き、車の中でアルバムを2枚聴いても順番が回ってこなかった。おかげで久し振りにレベッカを堪能した。
21.忘れていいことと、忘れてはいけないことと、そして忘れなければいけないことと、経験とは三つでできている。しかし、人は忘れていいことをなぜか覚えていて、忘れてはいけないことを忘れてましい、そして忘れなければいけないことに囚われ続ける。ただし、そういう人こそがいかにも人間らしい。
22.特別支援教育は大切だが、「発達障害」の語がブームになるのはおかしい。「癒やし」や「自分探し」「トラウマ」みたいに、自分の不安感に理由づけるために、自分の願いが叶わないことに理由づけるために、自分の人生がうまくいかないことに理由づけるために使われている。「発達障害」を消費するな。
23.さあ、いっぱい休んだから、原稿を書こう。今日は2冊の本を完成させて、1本のゲラ校正を完成させる日だ。どれもこれもあとちょっと。24時までにはすっきりしよう。風呂にもゆっくりつかって身も心もすっきりしよう。何せ明日は一日中職員会議だからな。いよいよ2学期が始動する。夏が終わるのだ。 なんか夏休み最終日の小学生みたいだな(笑)。
24.チームとは多様な人材が集まって、一つの目的のために互いのスキルを発揮し合う、できればそれぞれのスキルを融合して更なる成果を上げる、それが理想なのです。
25.全員が様々なスキルをもっていてそれらを融合するというのが理想ではあるわけですが、「弱い教師に配慮して組織が体制を組む」ということは、この理想とまったく矛盾しません。スキルを融合し合える体制を組むためには、スキルを発揮できる地盤をつくることが前提なのです。
26.〈教師力ピラミッド〉の裏に流れている思想はたった一つです。「一人で抱えるな、みんなでやろう」これを合い言葉に、チーム力で対応する時代になったのです。そういうチームをこそつくらなければならない時代になったのです。そしておそらく、こうした在り方を〈チーム・ビルディング〉と言うのです。
27.〈教師力ピラミッド〉は、すべての教師に「あなたはそのままでいいんだよ」と言う教師力モデルです。ただ、「あなたの得意技にもっと磨きをかける努力だけは怠らないでくださいね」とひと言だけ添えているのです。
28.子供の頃に好きだった曲を聴き直してみると、歌詞に意外な意味が込められていることに気づくことがある。ただ単に綺麗だと思っていた曲が不倫の歌だったり、美しい情景描写と感じていたものが性的な行為の比喩だったり、言葉の端々に政治的な意味合いが込められていたり。新たな感動が湧き上がる。
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