7月28日(土)
1.拙著「教師力ピラミッド」(仮題)の執筆が半分完了した。編集者
2.8月中に仕上げたとしても、イラストが多いから刊行は年末になる
3.子どもの背景を理解しよう!/その子をどうすれはよいかではなく
4.子どもの背景を理解するということはWHYに強くなることです。
5.教師の思考は多くの場合、方法に向く傾向があります。「どうした
6.まずは子どもの背景を理解する。なぜそうした行動をとるのかを考
7.【拡散希望】累積科学国語教育研究会in東京/テーマ:国語科授業づくり・5つの視点/多賀一郎先生をお迎えして、「研究集団ことのは」の提案です!/2012年10月6日(土)/上智大学/3000円/多賀一郎・堀裕嗣・山下幸・藤原友和・千田洋幸
8.【拡散希望】第6回教室ファシリテーションセミナーin東京/テーマ:教室ファシリテーションへの挑戦!~システムとステップ/2012年10月7日(日)/上智大学/3000円/堀裕嗣・山下幸・藤原友和/今回は日常授業でつなげるステップです。
9.【拡散希望】第2回学級づくりプログレッシヴセミナーin札幌/テーマ:道徳の授業づくり・学級づくり/2012年10月13日(土)・14日(日)/札幌市内/6000円/佐藤幸司・桃崎剛寿・山田洋一・堀裕嗣/とっておきの道徳授業小・中編者揃い踏み
10.教師の仕事は何を措いても「子ども理解」から始まります。生徒指導ではどうしても父性型教師が目立つ傾向にありますが、その父性型教師を支え、フォローしている母性型教師たちの「子ども理解」の在り方を若いうちからしっかりと観察しておくことをお勧めします。
11.「子どもがわからなくなった」というベテラン教師が増えています。長年の経験から、子どもたちに安易にレッテルを貼るようになっている証拠です。手持ちのレッテルに合わなければ、「なぜこの子はこういう行動をとるのか」と観察することが必要なのです。
12.子どもの問題行動の要因はこれではないか、そういう見立てを日常的に職員室で交流しましょう。生徒指導上のチーム力を高めるうえでも、若手教師を育てるうえでも大きな効果を発揮するはずです。
13. 「オープン・クエスチョン」という語をご存知でしょうか。「どんな感じ?」「何が印象に残ってる?」などのように、YES-NOでは答えられない問いを発することで、相手にたくさんしゃべってもらうための質問技術です。母性型教師は聞き上手である必要がありますから、こうした技法を学ぶことはとても大切なことです。
14.子どもを共感的に理解しよう/駆け込み寺になれたら最高!それが母性型教師の構えなのです
15.なぜこの子はこういう行動に出るのか。何がこの子に必要なのか。どのような体制を組むと、この子が過ごしやすくなるのか。そういう目で子どもを見るように努めましょう。
16.そのためには、一般的な学校で許されるか許されないか、他の先生方が許してくれるか否か、そういうことを一度括弧に括って、その子にとって一番良い手立ては何かを考えてみましょう。その根拠と手立てをしっかりもったうえで、職員室で共通理解を得られるよう努力するのです。
17.生徒指導においても特別支援教育においても、こうした体制をつくっていくのが母性型教師の役割だと心得ましょう。
18.養護教諭の多くが、また、教育相談を勉強している教師がこうした意識をもっていますが、職員室では生徒指導主事・学年主任クラスにこの意識が薄く、なかなかシステマティックな動きにならない現実があります。生徒指導主事や学年主任は意識改革を、養護教諭や教育相談を学ぶ者は根気強く……が大事です。
19.父性型教師は管理しやすさを中心に考えるのが仕事です。集団を管理するのです。これに対して、母性型教師は子どもの学びやすさ、過ごしやすさを中心に考えるのが仕事です。あくまで個人を相手にして、集団は様々な個人の集合体であると認識するのです。
20.学校には、父性型教師のスタンスと母性型教師のスタンスとの両方が必要です。双方がバランス良く機能したとき、子どもたちの精神が安定し、集団がよりよく機能するようになるのです。母性型教師の役割は決して小さくはありません。
21.教育相談を学んでいる教師であったり、おっとりしたお母さん先生であったり、人気のある養護教諭であったりしますが、そういう教師が同僚にいたら、是非とも子どもへの対し方を観察するとともに、積極的に話を聞くことです。
22.子どもが自分を頼ってきたときには、とにかく話を聞く、共感的に理解することで、まずはカタルシスを与えましょう。指導したり諭したりということは後でもできるのです。
23.甘やかすことも指導のうちであるという認識をもちましょう。
24.共感的理解というとカウンセリングの先輩特許のようなイメージがありますが、最近は特別支援教育の領域に体制づくり、システムづくりまで視野に入れた有効な提案が多く見られます。
25.あたたかな隙をつくろう/完璧すぎる教師に子どもたちは親しみを抱きません
26.自分の苦手のことは子どもに頼む。子どもに存分に頼る。「お願いね。頼りにしてるわよ」と、子どもたちに信頼の姿勢を示す。子どもが期待に応えてくれた場合には「ありがとう」、応えられなかった場合には「ごめんなさい」、「先生が無理なこと頼んじゃったね」と責任を引き取る。
27.これが母性型教師の基本的なスタンスです。このスタンスを「あたたかな隙」と言います。子どもたちは「あたたかな隙」をもつ先生が大好きです。 しかし、「冷たい隙」はいけません。それは悪しきヒドゥン・カリキュラムを形成します。ひどい場合には学級崩壊さえ招きます。
28.学級経営や授業運営に効率を求めすぎると、教師主導が一番良いということになります。しかし、教師主導は教師の視点、教師の姿勢が「完璧」である、教師の力量が高いということを前提としています。
29.思い切って効率が悪くても、失敗があったとしても、学級運営において様々における様々な事柄を子どもたちに任せてしまうということも考えるべきです。人間は「お任せします」と言われたときが、最も力を発揮するときなのです。自分が信頼されているという確信を抱くことができるからです。思い切って子どもたちに任せてみましょう。いろいろなことが見えてきます。
30.子どもたちに「ありがとう」と「ごめんね」を言えますか?一日中隙なく教師然としていることは、実は子どもたちにとっても息苦しいのです。
31.子どもの問題行動の対応は子どもたちに任せてはいけません。ただし、指導場面でも子どもを疑うような発言は厳禁です。
32.年齢を重ねると様々な教育技術にこなれてきて、ついつい子どもたちを自分の思い通りに動かすことだけを求めがちになります。子どもたちの思いや力を発揮させる手立てをついに追い求めたいものです。
33.教師は仕事は「管理すること」ではありません。子どもを伸ばすために必要な管理を行うのです。「管理」は目的ではなく手段なのです。
34.教師の職務には「仕事」と呼ばれるものと「実践」と呼ばれるものとがあります。「仕事」はやらなければならないこと、「実践」は他ならぬ自分だからこそこの子を伸ばすことができたというタイプの子どもとのかかわりを言います。「仕事」をこなしつつ、「実践」を積み上げるのです。
35.保護者と「おしゃべり」をしよう/保護者とフラットな関係を築く
36.保護者を学校と対立する概念と捉えるような傾向があります。しかし、そうした構えは杓子定規の対応を招き、かえって良心的な保護者の不信感を買うことが多いのです。「保護者=クレームをつける人」ではありません。保護者のごくごく一部がクレームをつけることがあるのです。
37.世の中に子育てに自信満々の保護者などいません。それは子どもたちを育てるのに自信満々の教師がいないのと同じです。教師が信頼できるのなら、保護者だって相談したいし、愚痴も聞いてもらいたいのです。相手も人間なのです。子ども相手だとそう思えるのに、保護者対応ではそれを忘れがちになります。気をつけたいものです。
38.子どもたちとフラットな関係を築いてともに成長していきたい……そう語る教師は多いのですが、保護者とフラットな関係を築いてともに成長していきたい、そう語る教師はほとんどいません。
39.子どもたちとの関係がフラットではいざというときに困りますが、保護者との関係はフラットが理想です。ともに楽しみ、ともに悩み、ときには愚痴もこぼし合う。守秘義務のあることと同僚の悪口以外は、ほぼ何を話しても良いのが保護者なのです。この認識が保護者との関係を変えます。
40.子どもも保護者も基本的には若い教師が好きです。ボタンの掛け違いから「頼りない」と批判されることがありますが、それは教師の側が最初から構えすぎていることが多いのです。若いということを武器にして、思い切って懐に入るくらいの気持ちに切り替えてみてはいかがでしょうか。
41.いまも昔も良心的な保護者の質はそれほど変わっていません。学級PTAで保護者共同体をつくることも決して不可能ではありません。この十年で学校がしなくなったことの一つに「保護者を頼ること」があります。
42.PTAは良心的な保護者が動かします。学校によく顔を見せるのも、圧倒的に良心的な保護者です。目指すべきはきちんとしていることではなく、和気藹々とコミュニケーションを図ることです。
43.かつては自分も子どもであり、自分の親も保護者だったのです。教師としての自分の対応を自己評価するときは、自分の親(特に母親)だったらどう思うかな、と考えてみると進むべき道が見えてくることが多いように感じています。
44.いくら裏切られても子どもを信じて待つのです/教師の仕事の中心は待つことと言っても過言ではありません
45.携帯電話の普及以来、現代人は「待つこと」が苦手になったと言われます。かつては待ち合わせで待ち人が来なくてイライラしたり、もしかしたら来ないのではと不安になったり、そんなことが日常茶飯でしたが、いまはすぐに確認することができるようになりました。
46.しかし、教師がそのようなスタンスではいけません。子どもを信じて待つ。いくらでも待つ。何度裏切られても待つ。それが仕事の一つなのです。
47.待つことは素敵なことです。待つことは信頼の証なのですから。逆に考えてみれば、すぐにわかることです。あなたを待ってくれている人がいたとしたら、それはとても嬉しいことではないでしょうか。あなたを待ってくれている人がいたとしたら、期待に応えようとは思わないでしょうか。
48.でも、どうしても間に合わない。これを片付けてしまわないといけない。そんなとき、本当にいつまでも待ってくれるんだろうか。もう待ってはくれないんじゃないだろうか。不安が頭をよぎります。おそらく子どもたちの心象もそんな感じなのだと思います。
49.結果責任、説明責任の世の中が、教師に「待つ時間」を与えなくなってきています。でも、それでも待つ、それが「信じて待つ」ということです。
50.「信じて待つ」ということを、その言葉の美しさだけで情緒的に捉えてはなりません。子どもや同僚と軋轢を生じかねない、かなり大きな覚悟が必要なのだと意識しなければなりません。
51.途中で諦めるくらいなら最初からしない方が良い、そのくらいの気持ちが必要です。
52.「信じて待つ」ことは独り善がりになりがちです。周りの子どもたち、先生方に負担をかけていることを自覚しましょう。その意識のない「信じて待つ」はほとんどうまくいかない現実があります。
53.「信じて待つ」という姿勢を堅持するには、周りの教師の協力が不可欠です。そういう姿勢を示す教師が周りにいるときには、フォローしてあげる意識をもってあげなければなりません。
54.「信じて待つ」という姿勢に必要なのは耐性ではありません。本当に信頼することです。それができない場合には、安易に行うべきではありません。
2012年7月28日 (土) 今日のできごと | 固定リンク
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