« 教師の職場 | トップページ | 教師の表現 »

教師の成長

29.〈スキル〉を学べばいいと若者は思っています。しかし、〈スキル〉が多いほど教師としての力量が上がるわけではありません。〈スキル〉を自分の学級に合わせて修正し、それらの〈スキル〉が一貫性をもって機能するような〈システム〉を構築してこそ力量は高まるのです。

30.もしもあなたが若者で、もしもあなたが日々の仕事におろおろしているならば、その原因は周りにあるのではなく、あなたの心性にこそあります。あなたには若者がもつべき「健全な野心」がないのです。「不健全な野心」は人を堕落させますが、「健全な野心」は人に覇気と可能性をもたらします。

31.若い教師が最初の学級をうまくまとめて、それなりに自信をもってしまったときが一番危ない。自分が人間的に優れているとか自分は感性が鋭い人間であるとか勘違いしてしまう。誤解を怖れずに言えば、若い教師など人間的には下の下の下です。二十代はそのくらいのつもりで生徒の前に立った方が安全です。

32.発展途上の自覚のある先達にこそ学ばねばなりません。直接逢って教えを請わねばなりません。完成されたように見える先達、自分の主張を相対化して話すことのない先達は、その世界では既に終わってしまった先達です。本で読めば充分です。しかし、人は多くの場合、その逆の行動をとってしまいます。

33.教育論に興味を抱いて教師をしているうちはうまくいきません。目の前にいる子どもに興味を抱き、試行錯誤しているうちに教育観が生まれ、やがてそれが自らの教育論になっていくのです。10年間がむしゃらに取り組むとその萌芽が見えてきます。10年の時を経ずに見えてきたものは幻想に過ぎません。

34.経験を重ねるほど主張はシンプルになっていきます。こねくりまわす必要も、裏返す必要もないことに気づいていきます。若い頃は、先達のそのシンプルさが大雑把な主張に見えて、どんどん思考を複雑化させていきますが、先達のシンプルさが複雑な思考のの末に到達したシンプルさであることに気づくのにそれから20年かかります。

35.努力する者だけが教壇に立つべきなのです。自らの成長を怠らない者だけがその資格をもつのです。もっと遠くへ。もっと高みへ。自らの可能性に飢えない者に教壇に立つ資格はありません。もちろん心を病んでまでそうする必要はありませんし、死を考え出したらすぐに逃げるべきです。しかし、それでも命に関わる場合以外は逃げるべきでありません。

|

« 教師の職場 | トップページ | 教師の表現 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1154987/45656182

この記事へのトラックバック一覧です: 教師の成長:

« 教師の職場 | トップページ | 教師の表現 »