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6月27日(水)

1.授業は五つ。人物描写の抽出しての文章構造図作成が四つ。聞き取りテストが一つ。空き時間は評定資料作成。データの打ち込みが完了。これでボタンを押せばいつでも評定が出せる状態になった。通知表が刷り上がってきたので、各担任に配付。勤務時間終了と同時に退勤。

2.昨日はビールを飲んでさぼってしまったので、今日は原稿を書くことにしよう。熱さにも閉口するが、終わらせなくちゃならない原稿があるのも閉口する。さっさと仕上げてしまった方がいい。どうせやらなければならないことなのだから。

3.原則として、ノートはフォーマットを決めるのが良いといえます。手帳を考えてみるとわかりやすいのですが、何をどこに書くのかが決まったいるということは、使う者にとって安心感を与えるとともに機能的に活用できるものです。

4.学習活動は指導事項に基づいて行われます。或いは学習活動を通じて指導事項がまとめられるという場合もあります。いずれにしても、指導事項と学習活動とは、授業に置いて〈目的〉と〈方法〉の違いであったり、〈目的〉と〈具体例〉 の違いであったりします。

5.私は原則として毎時間、少なくとも指導事項のひとまとまりが終了した時点で二百字の短作文を書かせることにしています。毎回、それを提出させ、点検して返却します。

6.返却された作文やプリントが散逸してしまったのでは、その後  の学習に支障を来しますので、私はすべての  作文やワークシートをノートに貼らせること  にしています。

7.ノートに記録される情報には〈レベルの違い〉があるものです。上位・下位の関係であったり、含む・含まれるの関係であったりしますが、こうした上のレベル、広いレベルの情報と下のレベル、狭いレベルの情報が尾など高さで記録されるのは、その関係性を表すうえで好ましくありません。

8.学級全体での話合いや小集団交流において、他者から学んだ情報や考え方、なるほどなあと感じた参考意見などは、自分で思いついたことや考えたことと分けて、色分けさせると機能的です。私は赤ペンで書かせることにしています。

9.三つの意義があります。第一に、あとで見返したときに、自分はこのことは思いつかなかったのだなあ、他の人から学んだのだなあ、と振り返ることができます。第二に、赤ペンによる記述が多ければ多いほど、話し合いが交流が自分にとって有意義であったのだと自己評価することができます。第三に、ノートを点検すれば、小集団交流がどの子にとってどの程度機能しているのかを教師がひと目で評価できます。

10.小集団交流では、メモをとらせることが大切です。メモは自分で見返して理解できれば良いものですから、丁寧に書いたりきれいに書いたりする必要はありません。「速記性」「簡潔性」「構造性」などに気をつけながら、「再現性」を旨 とします。

11.丁寧に、きれいに書こうとする女子などにはメモの取り方の授業を行って、きれいに記録を取らねばならないという概念を砕いてやらねばなりません。見かけの美しさではなく、過不足ないメモという「機能美」の概念を教えてあげると良いでしょう。

12.「授業づくりで最も大切なことは何ですか?」と若い教師に訊かれることがあります。どうも授業の雰囲気が停滞している……というのです。どれどれと見せてもらいますと、授業内容が構造化されていないと言いますか、要するにごちゃごちゃ、ぐちゃぐちゃしていることが多いのが現実です。

13.そうしたときに、私が助言することはたった一つのことです。「子どもたちにノートをつくらせるという意識で授業をしてみるといい。それも、教師が美しい板書をしてそれを写させるというのではなく、基本的に音声を中心としてノートをつくらせるんです。」

14.音声言語だけで子どもたちにノートをつくらせるということになると、かなり教師の言葉が精査されます。余計なことを言い過ぎると子どもたちは書き取れませんし、「ここで一行空けて」とか「AからBまで赤で矢印」とか「いまの部分を青ペンで枠囲みします」とか、こういう注釈的な言葉を話さなければならなくなります。これが実は、授業を構造化し、システマティックにすることに役立つのです。

15.こうした授業をしますと、子どもたちが授業の全体像を理解したかどうかは、ノートを見ればひと目でわかります。そして伝わらなかったところについては、自分の指導言のどういったところが良くなかったのかということもわかるようになります。

16.教師は丁寧で美しく、構造的な板書が好きです。しかし、実はそれが子どもたちを伸ばさないということに多くの教師が気づいていません。美しい板書を自身で構成して、自己満足しているのです。しかし、学習するのは教師ではありません。子どもたちなのです。子どもたちにこそ思考を伴ったノート作業をさせなければならないのです。

17.拙著『一斉授業10の原理・100の原則』(学事出版)。ノート指導を機能させる10の原則の執筆が終わり、残り36頁となりました。いよいよ終わりが見えてきました。遅くても週末までには終わります。一気に書き上げる本になるので、ある種の熱気のある文体になっています。面白いなあと思います。

18.一般論で書けば所詮一般論。具体的に書けば守秘義務に反する。事例をいじれば一番伝えたいリアリティが消える。たぶんそういうことです。

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