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2011年6月

今月のお知らせ/2011年6月

6月は研究会登壇を極力おさえ、本の執筆に重きを置く月にするつもりです。

【書籍・出版関係】

9784761918088学級経営10の原理・100の原則~困難な毎日を乗り切る110のメソッド』(学事出版)が好調です。上梓した当初は3月・4月に売れてそれで終わり……次は来年……というタイプの本だと思っていたのですが、蓋を開けてみるとそうでもないようで、5月もなってもそれなりに売れているようです。ありがたいことです。

続いて、近々、『CD-Rでアレンジ自在 中学校・ホームルーム活動ワークシート』(学事出版/堀裕嗣編・研究集団ことのは著)が刊行予定です。こちらもどうぞ、よろしくお願いします。

また、『とっておきの道徳授業・中学校版 Ⅸ』(日本標準)もそろそろ刊行予定です。こちらもよろしくお願いいたします。今年は震災による紙不足の影響で刊行が遅れたようです。

現在、『生徒指導10の原理・100の原則』(学事出版)と『義務教育で〈習得〉させたい国語学力~授業づくりの10の原理/120の言語技術』(明治図書)を執筆中です。双方とも秋までには間に合わせたいと考えています。

14_ihk83e838d83b83v000明日の教室DVDシリーズ14/文学の授業~読む・解く・書く』石川晋・堀裕嗣・門島伸佳・有限会社カヤ・2011年3月中旬発売

1月末に京都で行われた「明日の教室」がDVDになりました。発売開始されました。「オツベルと象」を題材に、〈語り手の自己表出〉の読み解きの基礎的な授業を模擬授業の形で提案しています。後半は石川晋先生と授業づくりの視点について語り合っています。

【研究会関係】

私に関係する6~7月の研究会をご案内させていただきます。お時間が許せばお越しください。

2011年6月14日(火)/札幌市立藻岩小学校校内研修会学級経営関係/札幌市立藻岩小学校

2011年7月2日(土)/第17回国語科授業づくりセミナーin札幌ストップモーション授業検討で学ぶ国語科活用型授業づくりの原理・原則/札幌市白石区民センター1F多目的室/参加費:3000円(学生1000円)/物語授業者:水戸ちひろ/説明文授業者:太田充紀/講師:大谷和明・高橋裕章・堀裕嗣・南山潤司・山口淳一/定員30名

2011年7月9日(土)/第4回・学級経営プログレッシヴ・セミナーin札幌夏休みの研修・学習発表会企画づくりの原理・原則/講師:大野睦仁・高橋裕章・堀裕嗣・南山潤司・山口淳一・山田洋一/定員30名

2011年7月16日(土)/第13回教室実践力セミナーin札幌/札幌市北区民センター1F集会室/参加費:3000円(学生1000円)/講師:岡山洋一・大野睦仁・藤原友和・堀裕嗣・山下幸/定員40名

2011年7月23日(土)/第17回中学校学級経営セミナーin札幌/札幌市白石区民センター(予定)/参加費:3000円/講師:堀裕嗣・山下幸・小木恵子/定員30名

2011年7月29日(金)/第9回・北の教育文化フェスティバルin札幌/講師:坪田耕三・野口芳宏・堀裕嗣・正木孝昌・盛山隆雄・芳沢光雄

2011年7月31日(日)/第14回・先生のためのとっておきセミナーin新潟/講師:石川晋・堀裕嗣・道徳のチカラ中学代表

2011年6月4日(土)~5日(日)/日本ファシリテーション協会・全国フォーラムin札幌/開!啓!拓!(ひらく×3)/登壇者に名前は出ていませんが、藤原友和・石川晋とともに3rdセッションに登壇します。/終了しました。

2011年6月11日(土)/第3回・学級経営プログレッシヴ・セミナーin札幌/札幌市白石区民センター/参加費:3000円/講師:大野睦仁・高橋裕章・堀裕嗣・南山潤司・山口淳一・山下幸/定員30名/終了しました。

その後の予定はこちら

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予感が確信に変わりつつある

ちょんせいこさんのWBM学習会に参加してきた。

オーソドックスな主張をオーソドックスな手法でパッケージ化して提案しているという印象。オーソドックスでありきたり……という意味ではない。もっともっと先鋭的なことが言えるのに、自分の講座を受講する側の人たち、自分に影響を受ける人たちの立場まで考えて、場に応じた〈必要不可欠なこと〉だけに絞って講座をつくっている、という意味である。こういうのは意外と難しいことだ。

まず、「なぜ」「なに」をという部分を25分ほどかけてじっくりと語る。おもしろおかしく語っているように見えながら、伝えたい本質は的確に語る。その後、「どのように」の部分はスモールステップで一段一段階段を昇らせる。受講者全員が慣れてきたところで、休憩をはさんで最後の1時間強で実感を伴った大きなワークショップを体験させる。150分の講座立てとしては理想的なモデルの一つである。

国語教育、ワークショップ、ICT、学び合い……同じ北海道に住み、同じように民間ベースで活動していながら、なかなか交わる機会のない人たちがファシリテーションを題材とするこうした学習会だとまじわることになる。そうした構造がよく見えた学習会でもあった。これも個人的に良い教訓となった。

Sさんと「何かやろう!」と握手した。最近、「何かやりましょう」と言ったり言われたりがたくさんある。新しい何かが加速度的につながり合っている証拠である。来年度あたり、そのうちの幾つかがきっと実現していくのだろうと思う。

北海道が元気になる。そんな予感が確信に変わりつつある。

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生徒は元気。先生は不元気。

宿泊学習あけの初日。生徒たちは割と元気。先生方は不元気(笑)。

1時間目は空き時間。期末テスト問題作成。1時間で40点分が完成。

2時間目は2組。「虹の足」の第1時。まずは「ことばの記号」と題して、疑問符・感嘆符・句点・読点・句読点・ダッシュ・リーダーを指導。次に連の概念。更に「詩の分類」と題して、口語詩・文語詩・定型詩・自由詩・散文詩・叙景詩・叙事詩・叙情詩。最後に「虹の足」を視写させて終了。

3時間目は空き時間。期末テスト問題作成。更に50点分が完成。

4時間目は7組。「虹の足」の第2時。「表現技法Ⅰ」と題して、直喩法・隠喩法・擬人法・擬声語・擬態語・倒置法について、例示をまじえて概念を解説。その後、4人グループで「虹の足」に用いられている表現技法をリストアップ。答え合わせ。

給食時間に給食を食べずに期末テスト問題作成。10点分をつくって、すべての問題が完成。

5時間目は1組。「虹の足」の第1時。2時間目2組と同じ授業。

6時間目は解団式。生徒たちのスピーチまずまず。最後の15分間は宿泊学習反省用紙の記入。6組担任が外勤のため、6組に入って指導。その後、帰り学活・清掃と6組。学級日誌にひと言書いて起用の仕事が終了。

16時に私用で年休。今日は19時からちょんせいこさんのを講師とするWBMの学習会に参加する予定。

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素行評価の原理

1 素行評価の原理

【視点1】自分は何を見ているか。
【視点2】自分はどこを見ているか。
【視点3】自分はそれを、なぜ見ているか。

ためしにこの三つの視点を、教師としてのありふれた日常にインストールしてみよう。

授業中、ある生徒を指名する。指名された生徒が発言する。すぐに生徒が反応してスムーズに進むこともあれば、生徒がうつむいてしまい沈黙のままに時間が過ぎることもある。教師ならだれしも経験したことのある、ごくありふれた教室風景である。

さて、教師としてのあなたは、このありふれた日常の中で何を見ているだろうか。

合唱コンクールが近づいてきた。疲れてきているせいか、ソプラノの高音が下がり気味である。他のパートを座らせてソプラノの高音を調整する。そうだ、その音だ、頑張るんだ……、心の中でそう声をかける。

このとき、あなたは視野には何が映っているだろうか。

授業で発言している生徒は、自分が指名され頑張って発言している。なんとか自分の考えていることをわかりやすく説明しようと、思考をフル回転させている。周りの生徒たちもその生徒に注目している。そういう生徒の姿を見ることは教師にとって一つの喜びであり、心楽しい瞬間でもある。

しかし、ここで考えてみよう。数十人の学級の生徒たちのうち、発言している生徒はたった一人である。もしも教師がこのとき、発言している生徒だけに注目してしまっているとしたら、それはずいぶんともったいない話なのではないだろうか。発言中の生徒はいままさに脚光を浴びている。いわば「晴れ舞台の緊張状態」にある。実はこのとき、ほかの生徒たち、すなわちその発言を聞いている側の生徒たちこそが、いろいろな表情を見せているのである。

ある生徒は席の少し離れた生徒に向けて手紙を書いているかも知れない。ある生徒はどうしても朝読書の続きが読みたくて、机の下で本を開いているかも知れない。ある生徒は窓の外を眺めながら給食のメニューは何だったかなどと考えているかも知れない。もちろん、多くの生徒たちは発言者の意見を聞き漏らすまいと、真剣に耳を傾けているはずだ。

いずれにせよ、こうしたとき、実は緊張状態にない周りの生徒たちにこそ、彼らの「素の状態」が表れるのある。教師にとって、これほどの生徒理解のチャンスはない。しかも、こうした場面は日常的に、しかも日に何度も訪れるのである。

合唱コンクールの例でも同様である。ソプラノが高音の音取りをしているとき、実は休んでいる他の3パートは休憩タイムになっている。こんなときにこそ、生徒たち個々の合唱コンクールへの意識を垣間見ることができるのだ。ある生徒は真剣にソプラノの響きに耳を傾け、多くの生徒たちは小声のおしゃべりに花を咲かせている。その表情は例外なく「素」なのである。

このように「素の状態」の行為を観察して日常的な指導に活かす目をもつこと、これを私は「素行評価の原理」(1)と呼んでいる。

2 素行評価の場面

「素の状態」の行為を観察するとはいっても、生徒たちからみれば、教師は自分たちの「管理者」である。そう簡単に素顔を見せてくれるわけではない。そこで素行評価場面を意図的に創り出す必要が出てくる。

例えば、一年生を担任した四月、どんな生徒たちかがわからないなかで、学級担任としては少しでも情報が欲しいと思う。こんなとき、入学式後の学活、或いは次の日の自己紹介シートを書く学活などで、わざと五分ほど時間を余した振りをする。

「じゃあ、時間が余ったから、おしゃべりタイム。席を立っていいよ。ただし、教室から出ちゃダメだよ。」

こんな時間をとる。生徒たちはいろいろな表情を見せてくれる。

新入生にこれをやると、まず、「えっ?ほんとうに立ち歩いていいの?」という雰囲気に包まれる。ここで生徒たちに様々な目配せが起こる。だれとだれが目配せしているかは教卓からは手に取るようにわかる。

そのうち、だれか一人(生徒A)が意を決して立ち上がる。追随して二、三人(生徒B~D)がそれに続く。教師はそれをにこにこしながら見ている。他の生徒たちも安心して立ち上がり始める。こういう流れである。

このとき、最初に立ち上がったAは、まず間違いなくリーダー生徒か問題傾向生徒である。追随したB~Dとの間には心理的な上下関係がある。はやりの言葉でいえばAは「スクール・カースト」(2)が高く、B~Dはその〈同調者〉である可能性が高い。今後、Aが他の生徒(E)を攻撃するようなことが見られた場合、それはAによるEへの攻撃に止まらず、Aを中心とした複数の人間によるEへの「いじめ」に発展する可能性が高い。このように把握するのである。

また、一人(F)が席に座っている周りを四、五人(G~K)が囲んでいるという状態も現れる。この場合もFとG~Kとの間には上下関係がある可能性が強い。更には、立ち歩き可としている四、五分の間、だれとも接することなく一人でポツンとしている生徒も散見されるはずである。本を読み出したり、漫画を描き出したり、ただ黙っていたりとその様相は様々だが、こうした生徒たちが何をしていたかまで含めて、生徒理解における重要な情報となることは言うまでもない。

3 素行評価の観点

生徒観察において最も大切なことは、目的的に見るということである。言い換えるならば、何を見るのか、どこを見るのか、なぜ見るのかということを、あらかじめ決めたうえで観察するということだ。教師は経験を重ねるにつれ、これまで接してきた生徒たちの印象の集積がなんとなくデータベースとして機能するようになり、自分の生徒を見る目は確かだと錯覚しがちになる。しかし、そんなことはあり得ない。それは神の領域である。

無目的に生徒集団を見ていると、どうしても態度の悪い生徒ばかりが気になってくる。その子ばかりを見るようになる。しかも悪いところばかりが見える。結果、やたらと注意ばかりすることになってしまう。教師はその子が嫌いになっていき、当事者生徒は「なんでオレばっかり……」と態度を硬化させていく。教師にとっても生徒にとっても不幸な展開が延々と続く。三ヶ月から半年くらいで亀裂は決定的となり、その生徒の指導を他の教師に頼まなければならなくなっていく。やっと和解できるのは卒業式当日……などということになりかねない。もちろん、注意すべきは注意しなければならないが、必要以上の細かな叱責になっていないかと、教師は常に自戒する必要がある。

最後に、「素行評価」における十箇条を挙げて本稿を閉じたい。

(1)「良いところ」だけを見る日、「悪いところだけを見る日」を交互に設定する(月・水・金は良いところ、火・木は悪いところのように)。

(2)観察する対象として、「今日の子」を男女 各一名ずつ決めて観察していく(一ヶ月も経てば膨大な具体的データが集積される)。

(3)発問のあとはまず意見をノートに書かせて 生徒の思考法・発想法を可視化する。また、小集団討議を頻繁に行うなど、質の異なる評価場面を意図的につくる。

(4)週に一度以上は短作文を書かせる。内容を読み取る以上に、言葉遣いや文字の乱れから心理状態を読み取る。

(5)休み時間の学級をまたいでの人間関係に注目する。

(6)多動性の高い生徒については、月に一度程度、十分休みの移動を気づかれないように 尾行してみる。

(7)授業前の三十秒の動きに生徒個々の現状が顕在化する(体育とそれ以外の教科との違いは一目瞭然であるが、実はその他の八教科の間にもかなり大きな差がある)。

(8)授業中の指示後一、二秒の動きに生徒個々の現状が顕在化する。

(9)机中・ロッカー・靴箱等に、物を介して生徒実態が顕在化する。

(10)通知表所見に活かせるように、顕著な素行(良い面)については必ずメモする。

【注】
(1) 詳細は拙著『学級経営10の原理・100の原則』(学事出版)を参照されたい。
(2) 『いじめの構造』森口朗・新潮新書・2007

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宿泊学習

5月31日(火)。7時半職員打ち合わせ。7時45分係生徒集合。8時生徒集合。8時5分出発集会。8時25分バス乗車。8時45分出発。9時45分長沼町道の駅にて学年全体写真撮影。その後、長沼町の各農家に分かれて農業体験実習。

ぼくはすべての農家さんをまわりながら、ビデオを撮影してまわる。とれたてのアスパラをいただいたり、生徒たちがつくった豚汁やその家の水田でとれたごはんをいただいたりしながら、忙しくも楽しい楽しい6時間ほどを過ごす。

16時15分、夕張のホテルマウントレースイ着。ホテルの方々に挨拶をし、バイキングの夕食、自由時間のビデオ撮影、宿泊学習実行委員会を集めての一日の反省会、消灯後の巡視と続いたが、24時前にはすべての生徒が寝入る。中には22時30分消灯の10分後には寝息しか聞こえない部屋も。教師陣も1時に寝る。

6月1日(水)。4時起床で各部屋をまわる。まだ寝ている様子。取り敢えず部屋でシャワーを浴び、5時から廊下巡視。同僚と談笑しながら「ずいぶん楽な宿泊学習だね……」。6時半に生徒たちを起こしてまわる。

朝食後、8時15分にバス出発。この日は学級別選択コース。ぼくは7組に帯同。千歳のキッコーマン工場、更にキリンビール工場へ。学校に到着したのは14時半頃。到着は1組と並んで一番乗り。職員室で他の学級の到着を待ち、最終打ち合わせをして16時半退勤。

テレビを見ながらだらだらと過ごし、23時過ぎに就寝。

6月2日(木)。一度は7時に起きるも、やはり疲れているのかソファで眠り込む。録画していたドラマを見てはうとうと、内閣不信任決議案関係の特別番組を見てはうとうと。夕方から活動開始。まずは3日間たまっていた案件について、方々にメール。

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