« ふう。これで明日、旅立てる。 | トップページ | 第2回 中学校・学級づくりセミナーin愛知・東海 »

人生って、そんなふうにできてるんだ。

音読テスト。みんなの前であまりに緊張が高じて、うまく音読できなかった女子生徒。帰りがけ、ぼくの姿を見つけて、「先生、どうしたら緊張しなくなりますか」と尋ねてきた。「そんなに緊張するんだ……」とぼく。「わたし、メンタル弱いんです」と彼女。

結局、緊張しなくなる方法などないのだと諦めること。それしかない。

目指すところは緊張しなくなることではなくて、緊張しても実力を発揮できるようになること。いや、そこまではいけないにしても、緊張してもそこそこやれる程度になること。そういうことなのである。

新卒の晩夏。1991年の学校祭のこと。生徒会担当として初めて全校生徒の前に立ったときのことをはっきりと覚えている。ぼくの新卒赴任校は全校生徒1,300人の大規模校。保護者も100人くらいいて、職員も60人くらいいたから、おそらく1,500人近いの人たちの前でしゃべったはずである。たぶん3分程度の話。そのときの緊張感をいまでも覚えている。

言語技術教育学会での発表。600人ほどの研究者、実践者に向かって、自らの主張を展開したときのこと。そのときの緊張感をいまでも覚えている。

人はそういう階段を一つ一つ昇ることによってしか、自らの弱点を克服できないのだ。

これから、最後の中体連大会や、高校入試や、大学入試や、就職の面接や、いろいろな緊張感を強いられる場面が彼女にもやってくるはずだ。そういう将来にとって、音読テストの緊張感も、見えないところで、本人も意識しないところで、何らかのプラスの経験になるはずである。

人生って、そんなふうにできてるんだ。

|

« ふう。これで明日、旅立てる。 | トップページ | 第2回 中学校・学級づくりセミナーin愛知・東海 »

書斎日記」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人生って、そんなふうにできてるんだ。:

« ふう。これで明日、旅立てる。 | トップページ | 第2回 中学校・学級づくりセミナーin愛知・東海 »