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2011年4・5月/授業ノート

これまで1ヶ月にわたって、「平家物語」の視写・暗唱・音読練習・音読テスト・仮名遣い・係り結びと扱ってきた。目的は4つである。

①ノートをきちんととること。

②音声言語活動の心構え、評価観点を知ること。

③古文特有の韻律を体感すること。

④3人~6人の小集団交流に慣れること。

特に、毎年のことだが、ノートを学習の記録としてとにかく丁寧にきちんとつくらせるということにはずいぶんとこだわりをもっている。

Photo_12これは4月Photo_13の授業開きでおこなった「平家物語」冒頭の視写から始まった見開き。

下の頁には「視写」の定義、冒頭の口語訳、そして筆記テストの貼付。授業時間内の筆記テストを貼付するのに加えて、追試で満点をとったものをその上から貼付させる。文字が丁寧に書かれていないと、書き直しを命じられる。

毎年、そういう厳しさから寿儀容をスタートさせることにしている。「堀先生はノート点検に厳しい」ということが当然の空気として形成されれば、もうこちらの勝ちである。そのためには年度当初が大切である。

Photo_15「扇のPhoto_16的」の視写。口語訳の視写。一人一人の音読テストをやっているうちに、個人で進めていく作業。これを基本とした頁。

音読テスト終了後、仮名遣いを習ったら仮名遣いを、係り結びを習った係り結びを、4人グループ交流で検討したその成果も記入されている。

全文視写なんていう面倒なことにも記録として残ることを体験すれば、それ以降、なんの疑問も抱かずに取り組んでいけるようになる。古文の基礎知識を習う際にも、小集団交流をする際にも、教科書を使うのではなくこのノートに視写した文章を使って取り組んでいる。

Photo_17これは4月末に授業参観があった関係上、音読テストを見せるのもどうかと思い、「聞き方の達人への道Ⅰ」と題して、傾聴態度ロールプレイをおこなった際のノート。

ピアサポートのロールプレイ学習を国語科の「話すこと・聞くこと」領域に応用したものである。2000年前後から取り組み続けているが、「研究集団ことのは」としてはいわゆるテッパン授業の一つである。言語活動における様々な心構えの基礎の基礎を学ぶことのできる、よい授業である。

Photo_27 Photo_29 「敦盛の最期」 についても「扇の的」同様の活動をさせた。

生徒たちにとってみれば、長い文章でたいへんだったと思うが、どの子も一生懸命に取り組んでいた。こうした面倒なことに取り組むということも、必要な体験なのである。

正直に言えば、かなりの時間を要する活動なので、何か別の方法があれば切り替えたいとの思いもある。

しかし、Photo_31Photo_30「扇の的」で取り組んだことの定着ということを考えても、 授業システムの確立時期であるという現状を考えても、まあ必要な言語活動であると考えている。

歴史的仮名遣い、係り結び、「平家物語」の基礎知識に関するノート。今週3時間分のノートということになる。

こういうことをおさえては、4人グループで学習事項について本文をチェックする。現在、その繰り返しという授業パターンになっている。

10_2 11_2 国語科の授業には小集団交流が必ず1回は入るのが当然……という空気を醸成していくために、この時期には必要な授業パターンであると考えている。

正直に言えば、早く授業を進めてしまって、期末テスト範囲を確保したいとの思いもあるけれど、今後2年間の長丁場、優先順位は授業の形をつくることのほうだ。       

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