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合唱コンクール指導の10箇条

合唱コンクールの指導に苦手意識をもち、合唱コンクールの時期になると憂鬱になる……そんな教師は意外と多いものです。いろいろ工夫をしながら、1年1年経験を重ね、練習のバリエーションを増やしていく。若いうちから意識しておくべき、学級担任の視点です。

第1条 練習の仕方を考えて選曲する

合唱コンクールの勝負は、実は選曲によって大きく左右される。練習しやすい曲と練習しにくい曲があるのだ。私の場合、①ユニゾンから入る、②発声練習ができる山場を含む、③強弱がはっきりしている、④発達段階に応じた歌詞をもつ、⑤学級の実態に応じた難易度である、という5つの観点で選んでいる。

第2条 パートの音取りを徹底する

多くの教師が音取りが不完全なままにパート合わせをしている。音楽の不得意な生徒にとっては、この練習はほとんど機能していない。パーと練習には「やりすぎ」ということはない。それほど大切である。

第3条 2パート練習を徹底する

ある程度音が取れたら、2パートの合同練習を取り入れると良い。他のパートとハモるということを体感させることができる。いきなり全体練習をするよりも、この方法が最も効果的である。

第4条 個人ハーモニーを体験させる

音が取れたら、各パートから一人ずつ出て4人で合わせてみるという練習が効果的である。他のパートとどんなハーモニーをつくるのかということを体感することができる。

第5条 他パートを意識させる

全体であわせる場合にも、自分勝手に自分のパートを歌うのではなく、或いは自分のパートを合わせることに集中するのではなく、あくまでも他パートとハーモニーをつくるのだという意識をもたせたい。そのために、他パートに耳を傾けての練習を意識させる。

第6条 最強・再弱の練習を繰り返す

曲想をつける段階では、自分たちの学級の最大の声と最小の声で4小節程度ごとに歌わせ、どの弱さからどの強さまでが自分たちの歌える範囲なのかを意識させるとよい。これを繰り返しているうちに、更に声量が大きくなり、ピアノでは歌詞をはっきり語ることができるようになっていく。

第7条 入りの歌詞をはっきり発音させる

曲の最初の歌詞はもちろん、各フレーズの最初の歌詞がはっきり聞こえない合唱は聴き手に歌詞を聴くことを放棄させてしまう。これは合唱の価値の半分を捨てることを意味する。歌詞をはっきりと、特に「入りの歌詞」をはっきりとという指導は、何度でも繰り返す必要がある。

第8条 全体練習のバリエーションを増やす

いつも同じ歌い方をしていたのでは生徒たちも飽きてしまう。各パートが向かい合ったり、輪を作って歌ったり、テンポを合わせて歩きながら歌ったり、寝転がりながら歌ったりといったバリエーションを多くもちたい。

第9条 楽しい雰囲気をつくることがリーダーの使命であると意識させる

合唱練習では、音楽を得意とするリーダーたちが音楽を不得意とする生徒たちを責めるという練習形態になりがちである。この雰囲気に陥ると、合唱練習は絶対にうまくいかない。合唱部の練習ではないのである。ほとんどは素人なのである。楽しい雰囲気さえつくれれば、リーダーは成功……くらいの心持ちをリーダー生徒にもたせたい。

第10条  歌詞を深く解釈させる

毎年、歌詞の意味もわからずに歌う合唱をよく聴く。それは歌というものの根幹をはずしている。

※BILLY JOELの「THE STRANGER」を聴きながら……。

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BILLY JOEL/1977

ぼくが初めて買った洋楽アルバム。「THE STRANGER」とか「JUST THE WAY YOU ARE」あたりを聴くと涙があふれそうになる。結局、ぼくにとってビリー・ジョエルは英語圏で15番手くらいのアーティストになってしまっているけれど、ぼくらの世代にとってのスーパースターを一人だけ挙げろと言われれば、きっとだれもがビリー・ジョエルと答えるだろうと思う。。「THE STRANGER」のピアノと口笛。あれを初めて聴いたときの衝撃はきっと一生忘れられないのだろうと思う。こんな格好いい音楽がこの世にあるんだ……と感じた。

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