学年団の構成
職員室が浮き足立ってきている。
別に仲が悪くなったとか、生徒が荒れてきたとか、そういうことではない。年度末が近くなって、そろそろ来年度の人事が視野に入っての発言や、来年度はだれだれがうちの学年に来てくれないかなあなんていう発言がちらほら見え始めているのである。
ぼくが学年主任をしていた頃、だれが欲しいとか、あの人がいてくれては困るとかということはあまり思ったことがない。基本的にメンバーはだれでもいいと思っていた。力量が高いとか生徒指導ができるとか、そういうことよりはぼくといっしょに楽しく飲んでくれる人がいいなあ……ということのほうが重要だった。
仕事については、小さい学校だったからどうせ3ヶ月も経てばツーカーになる。仕事のできない人が学年に入ってきたとしても教えればいい。新卒さんや臨採さんも育てればいい。そんなスタンスだった。
でも、大規模校であるいまの職場を見ていると、学年に数人は力量の高い教師がいないとまわらないという事情はよくわかる。
例えば、学年8クラスなら、1組・4組5組・8組に力量の高い担任がどうしても必要である。そしてもう一人、副担任に全体を見通す生徒指導をする人間がどうしても必要である。1組担任と4組担任で1~4組の生徒指導を進め、5組担任と8組担任で5~8組の生徒指導を進める。全体を見るのが副担任の生徒指導係。これが最も機能するやり方である。これが機能しないと学年主任がパンクする。
例えば、学年7クラスなら、1組・4組・7組に力量の高い担任が必要である。しかも4組担任には体育や技術といった7クラス全クラスに授業に行っている生徒指導畑の担任がいい。基本的に4組は楽な学級にし、4組担任に全体の生徒指導係をまかせる。要するにフル回転だ。1組担任は基本的に前半学級に責任をもち、7組担任は基本的に後半学級に責任をもつ。こういう体制がいいだろう。副担任にフットワークの軽い人間が一人いれば、なんとかまわせるに違いない。
たぶんいまの勤務校でぼくが学年主任なら、生徒指導についてはこの体制を組むだろう。それ以外の担任は新卒でもいいし、期限付きでせもなんとかまわせるはずだ。とにかく、担任が学級に対してなんでもかんでも責任をもつという体制だけはとってはいけない。そんなことをしたら、チームとして機能しなくなり、だんだん不信感が生まれ、仲が悪くなっていく。そういうことだ。
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