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「第32回教師力BRUSH-UPセミナーin札幌」終わる

身内のご不幸や病気、インフルエンザなどなどの理由で、幾人かの登壇者に穴があいたのだが、たまたま藤原くんが参加してくれたり、たまたま桑原くんが参加してくれていたりしたために、登壇者の抜けた穴を埋めることができた。急遽入れ替えても大過なくやれる講師陣がいるというのは、すごいことだなあ……と感じた。

ぼくの登壇は評価・評定に関する90分にわたるQ&Aの司会と、最後の最終学活の語りに関するコメンテーター。双方ともにまあまあ役割を果たせたのではないかと思う。この日はぼくの新刊が届き、20冊程度がすぐに売れてしまって良かった。10冊程度は売って、残りの10冊は持ち帰って、この本のコンセプトのもとになったスペシャル・サンクスの先生方に贈ろうと思っていたのだが、当てが外れた。もう一度、送ってもらわなければならない。嬉しい誤算である。まさかその場にいる参加者の7割が買ってくれるとは思ってもいなかった。

1項目1項目をかなり具体的に書いたので、それなりの本になっていると思う。これまでぼくが書いた本との違いは、書きたいことを書くのではなく、書くべきこと、必要とされていることを書いた点である。そういう意味では、本を書く者としては一皮むけたかもしれない。

さて、ブラッシュである。32回目を迎える。今回は評価・評定の現実的な対応と最終学活で何を語るかという二本立て。

大野さんと裕章さんの評価・評定の提案のあと、ぼくが司会をして90分間のQ&Aをおこなったのだ20110219が、これがすこぶるおもしろかった。何がおもしろかったのかといえば、参加者から出てくる一つ一つの質問の具体性である。参加者が評価・評定において何を悩んでいるのかということがよくわかる有意義な時間だった。きっとこれをまとめておけば資料的価値をもつと思い、急遽、藤原くんにファシグラをお願いした。詳しくはこの写真を見てもらうことにして、一つ一つの質問の質がぼくにはとても興味深かった。南山さんや山田くんがそうした質問にサクサク応えられたことはあたりまえとしても、水戸さんと細山くんが自らの立ち位置から自分なりの見解を示し続けたことにもけっこう驚かされもした。

午後からは柏葉くんの特別支援教育講座と山田くんの通知表所見講座。柏葉くんの特別支援講座はぼくにはとてもおもしろかった。知らないことばかりで構成されていたという内容的な面が大きい。桑原くんに聞いたところによると、特別支援学校の王道とも言える視点で、かなり研究肌タイプの提案として位置づけられるらしい。まあ、一般教員相手の講座としては講座の構成にもう少し工夫が必要なのかもしれないが、ぼくにとっては新たな視点をかなり得ることができた。山田くんの講座は山田くんらしい講座。参加者の反応を見ると、通知表所見の交流というものをしたことがないという人が多かったようで、かなり有益な時間だったとの感想が多かった。研究会後の呑み会で、若手教師に「教師としての教育活動の中で、通知表所見ってのはどのくらいの率を占めるのか」と訊いたところ、中野くんが2割、佳太くんが1割と応えていたのが印象的だった。そうか、若者にとってはそんなに大きな割合を占めるのだ、という驚きである。ぼくの中では1%にも満たない。文字通り桁が違う。通知表所見がそんなにも高い率を占めると意識されているという現実は、分析に値すると感じた。

最後はおそらく教育史上、これまで行われたことはないだろうと思われる企画、「最終学活で何を語るか」である。なんとも現実的でありながら、しかもだれもがやっていることでありながら、学校というものの構造上、決してお互いに見合うことはあり得ない、ミニマムな部分に焦点をあてた企画である。これは有意義だった。語り口とかプレゼン技術とかいう問題もさることながら、教師の思想的な部分、教育思想とか教育観といったもの以上のもの、月並みな言葉だが「人生観」にあたるものがストレートに出てくるのである。

太田・斎藤・山田・小林・山下の5人が各8分ずつ、最終学活で語ったことを再現し、その裏にある教師としての立ち位置や語りの手法について交流するという時間だったのだが、参加者が実に楽しそうに、実に生き生きと交流しているのである。最終学活というものが教師としての観念・意欲・技能のすべてが集約されている場だということが、5人の提案を聞いているうちに参加者に伝わったのだと思う。いや、参加者にというよりも、企画したぼくらの側も訊いているうちにそれに気づいたという面がある。これが学級開きで何を語るかだったら、もう少し担任としての戦略と戦術の問題に終始する方向に流れたのだろうが、最終学活だけにひと言ひと言にその教師の「観」がにじみ出る、興味深い時間として成立したのである。この場でファシリテーターを務めた藤原くんの仕切りも見事だった。

夜は久し振りに「いづ屋」に行った。例のぼくの教え子の店である。21時過ぎにこれまた教え子の隣のクラスにいた女の子が登場。ぼくが店にいるというのでわざわざ会いに来てくれたのだという。まったく卒業以来一度も会ったことがなかったので、実に17年振りの再会である。柏葉くんとこの子と3人で3時近くまで飲んでべろべろになった。楽しい夜だった。

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コメント

いろいろとご配慮いただいたお陰で、最後の親孝行ができたと感じています。19日は、前夜から泊まり込んでいた女房と交代して、初めて私が泊まり込みする予定の日でした。何しろ前日18日は閉校式だったからね。私の体調を考えて、母や女房や息子らが交代で泊まり込んでくれていました。それを待っていたかのような、安らかな旅立ちでした。結局、泊まることもなく、深夜には帰宅することになり、最期まで心遣いのある父だったと思います。
めったなことでは穴を空けることはないのだけど、今回ばかりはちょっとね。(^_^;)
お返しはおいおいすることにいたします。

投稿: 大谷@FreeTalk | 2011年2月27日 (日) 07時16分

そんなことおっしゃらないでください……。
ご冥福をお祈りいたします。

投稿: 堀裕嗣 | 2011年2月27日 (日) 19時32分

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