また、教育界の一つの象徴が崩れてしまったなぁ……。
和田中でわいせつかぁ……。いわゆる「夜スペ問題」に別の問題がからんできちゃったなぁ。ぼくも「夜スペ」に賛成だったわけではないけれど、賛否はともかく、教育システムを変えようとする先進校にこの手の問題が起こってしまったことは非常に残念である。和田中の提示した問題の規模はそれなりに大きかったわけだが、これでもう冷静な議論が展開されることはないだろう。
先日の保護者提訴の問題は芸能人のスキャンダルみたい構造だったし、今回の和田中の問題は政治家のスキャンダルみたいな構造だし、いろいろな問題が常に複雑な構造をもち、複合的な問題として目の前に現れてしまう。それが世の中だというのは簡単だけれど、なんとも残念な思いばかりが続く、いまの教育界である。
文部科学省による「上からの改革」も成功しないことは、2002年改訂の教育課程が明らかにしてしまったように思う。官製研もいまひとつ効力を発揮していない。
反対に学校現場からの「下からの改革」も幾つかの先進校が生まれるだけで広まらない。ネット社会では先進校から取りこぼされた教員の不満もなんとなく広まっていくから、成功例さえ純粋な成功例としては受け止められない傾向もある。
民間教育運動にも勢いのある団体、勢いのある運動が見られなくなって既に10年。ぼくらも含めて、みんな小粒である。小粒な者たちが諸派乱立、自己満足的な研究にいそしんでいる……というのが、民間教育の〈いま〉だろう。昔はよく見られた民間教育団体同士の小競り合いさえ潜在してしまっている。
大学の教育研究と現場の教育研究の断絶も、幾つかの例外はあるものの、その溝は従来よりも深くなっているように思う。かつてなら校内研究に大学研究者の提案が引用され、「よし!これに取り組んでみよう」というタイプも多々見られたが、いまではほとんど聞かない。
こう考えるとこの国の教育界は絶望的であるようにさえ思えてくる。少なくとも教育界に「わくわく感」みたいなものが薄れてきている。まあ、ぼくの立場からはやれることを確実にやっていく、ということしかないのだけれど。
それにしても和田中でわいせつかぁ……。都市部を中心とした学力向上派の人たちに与える影響は少なくないだろうなぁ。なんでこんなときにこんな問題が起こってしまうのかなぁ。これもまた、保護者提訴の教諭と同じように、特殊な教員の特殊な事例とは見てもらえないのだろうなぁ。何かが始まろうとしているときに起こるこの手の問題が一番それまでの動きを引っ繰り返してしまうんだよなぁ。なんか複雑だなぁ。
また、教育界の一つの象徴が崩れてしまったなぁ……。
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