地図をもつ
「明日の教室」の座談会でぼくが何度か議論を整理する場面があった。ちょっとした議論の混乱を整理したわけだが、ある参加者から「なぜ、あんなふうに即座に整理できるんですか?」と訊かれた。酔っていたので「あとでね」と言って、そのまま帰ってきてしまったのでここに書いてみようと思う。答えはごくごく簡単にいえばこういうことである。
それは基本的にぼくの思考が「地図」でできているからです。
ぼくの頭の中にはこれまで学んできた教育理論とか教育実践が地図になっている。地図という比喩がわからなければマトリクスになっているのだ。それも別に複雑なものではない。ごくごく単純なものである。
例えば「教育観」なら、縦軸に「実用」と「教養」、横軸に「経験主義」と「系統主義」、これで四象限ができる。斎藤喜博のAという実践はここ、Bという実践はこのあたり、向山洋一のCはここ、Dはここ、野口芳宏のEはここ、Fはここ、自分の実践のGとHはここ、IとJとKはこのあたり……というふうにドットとして置いてあるのである。もちろん実際に図示しているわけではない。あくまでも頭の中だ。
例えば「教師のキャラクター」なら、縦軸に「学力向上主義」と「人間成長主義」、横軸に「指導主義」と「感化主義」、これで四象限ができる。A先生はここ、B先生はここ、自分はここ……というようにドットとして置いてあるのである。「明日の教室」で長島と王を教師像の比喩として語られるのを聞いて、即座にプレイヤーとしての長島と王で語るよりも、監督としての長島と広岡あたりで語ったほうが現実的だという議論も、このマトリクスに対応させて出てきたものである。これは職場の先生方を分析してチーム力を発揮させるうえでも使っているマトリクスでもある。
この二つはだれでもつくれるようなわかりやすい例なので例示したが、このほかにもマトリクスが6つあって、8つのマトリクスで思考するようにしている。でも8つのうち3つはまだ曖昧なところがある。いつか8つが確かなものになったら発表しようと思っている。でも現在はまだ企業秘密(笑)。
呑み会の二次会でぼくに「質問があるのですが……」と声をかけてきた女性の先生(石川晋と吉川さんのFGをやっていた方だと思う)が、他の人がぼくに話しかけてきて話を遮ってしまい、そのままになったのも気になっている。
また、二日目の午前中の休憩時間にぼくの学年経営案をコピーしてくれと頼んできた先生に、時間がなくてコピーさせてあげられなかったのも気になっている。
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