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てんぷら★さんらいず

たぶん十指に入るほど好きな曲である。

真夜中に聴くのがいい。きっと初めて聴いたのが真夜中だったからだ。だれもが夜更かしをして、眠い目をこすりながら聴き続けたオールナイトニッポン。木曜第二部、たけしの後である。

大学で記号論にのめり込んだのは、おそらくこの曲の影響である。自分の、自分でもどこかわからない深いところに、こんなにまでコードをズラした言葉群が突き刺さってくるのが何故なのか、それが知りたかった。イコンにもインデックスにもない、シンボルの不思議な本質を味わった。

初めて生で聴いたのは、もう三十になろうかという出張帰りの東京だった。レコードだけで聴いていたせいか、妙に下手に聞こえたのを覚えている。ぼくはそれからこの曲を生で聴きにいこうとは思わなくなった。そういやスタジオ・レコーディングだってこれだけ下手なのだから、生の演奏に堪えうる歌い手ではないのだと思い至った。

初めてこの詩を授業にかけたのは、転勤したての学校だった。たぶん教科書どおりの授業に飽きてきて、1時間遊ぼうと思ってのことだった。生徒たちは割とこの世界を理解し、コードをズラした創作詩をたくさんつくった。もう1時間かけてそれらを読み合った。これが「フォーマット・ポエジー」という実践につながっていった。

初めてこの詩を研究会の講座で取り上げたのは21世紀になったばかりの頃だった。「風になれ~みどりのために~」の言葉とこの詩の言葉を比較する講座だった。いい詩だけどそれだけ……、変な詩だけど何か引っかかる……、両者を比較することで創造性の入り口を示そうとする試みだった。これが「創造性開発教育」という、いまなお続けている研究につながっていった。

たぶん十指に入るほどぼくに影響を与えた曲である。

今日で冬休みが終わりました。始業式のあとに冬休みが終わるというのも変な言い方ですが、まったく、そんな気分です。冬休みにやり残したことはありません。毎年、冬休みは充実しています。「ことのは合宿」がなくても充実させることはできるんだな、と感じる、そんな冬休みでした。

明日からスキー学習。週に3日は担任です。もう寝ることにします。

おやすみなさい。

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