忘れかけた子守唄
タイガースのベスト盤を聴いているうちに、懐かしい瞬間を想い出した。
それは「忘れかけた子守唄」が流れ始めた瞬間である。沢田研二と加橋かつみが初めてボーカルを分け合った、タイガースにとっては記念碑的作品である。
「岸壁の母」のような歌詞である。でも、この歌詞が好きで何度も何度もリピートして聴いた。そうしているうちに、この曲を初めて聴いた小学生のとき、同じようにこの曲が気に入って何度も何度もリピートして聴いたことがあったのを想い出したのである。
真駒内の官舎の自分の部屋。夜。外は雪。
「母は毎日稽古をしてるよ」という加橋かつみの声が胸に響いて、何度も何度も繰り返しレコードに針を落とした。
数十年の時を隔て、同じことをしている自分に気づいたとき、時を越えて、自分というものが確かに存在するのだなあ……と感じさせてくれた、そんな出来事だった。
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