運命(さだめ)
取り敢えず原稿が1本完成した。
初めて「とっておきの道徳授業」(日本標準)用の原稿を書いた。フォーマットがきつく、正直いってぼくにはあまり向かない原稿である。それでも書こうと思ったのは、桃崎剛寿という類い希なる実践家と出会ってしまったからである(笑)。
実は数年前、やはり桃崎さんから依頼を受けて、「とっておき」用の原稿を1本、途中まで書いたことがある。確か永山則夫の生涯を題材とした刺激的な道徳授業だった。当時のぼくの道徳は、永山則夫とか宮崎勤とか犯罪者ばかりを取り上げていた。生徒たちの評判は上々だったのだが、出版ベースに載るには少々問題点の多い実践群である。そのあたりを編集者から指摘されて、面倒になってやめてしまった経緯がある。
数年前のあのとき、面倒くさがらずに修正に応じていれば、桃崎さんとの出会いは数年前になっていたのかもしれない。事実、石川晋はその同じ年に「とっておき…」の原稿を執筆し、桃崎さんとは数年来の付き合いであるという。彼は熊本に招かれたこともあったのではなかったか……。
しかし、こういうのは、言ってみれば「運命(さだめ)」である。ぼくと桃崎さんとが出会い、意気投合するまでにはあの年から数年を要したのである。きっとこの数年間に桃崎さんにもいろいろな出会いがあり、いろいろな成長があったに違いない。ぼくにもこの数年間にいろいろな出会いがありいろいろな活動がありいろいろな成長があった。昨年度の「中学校・学級経営セミナー」の10回連続講座がなければ、同じように桃崎さんと出会ったとしてもこれほどの衝撃は受けなかったであろうし、平成18~19年の上篠路中学校での文科省指定の道徳授業研究に携わっていなかったとしたら、桃崎さんとの出会いはまた違った意味合いをもっていたかもしれない。人との出会いとはタイミングなのである。「運命」とはそういうものである。
※真璃子の「あなたの海になりたい」を聴きながら……。
2003
岩崎宏美の「聖母たちのララバイ」から30年近くが経った。もう「火曜サスペンス劇場」の放映も打ち切られて数年がたつ。再放送を見ていると、このアルバムに収録されている曲を聴くことになる。犯人役の俳優の涙目とともに、主人公のドタバタ笑顔とともに。その雰囲気がとても好きである。「火曜サスペンス劇場」と「土曜ワイド劇場」はぼくの人生のある側面を象徴している。中学時代からミステリーが好きで、松本清張と森村誠一と江戸川乱歩と横溝正史と西村寿行と赤川次郎とエラリー・クイーンとアガサ・クリスティの文庫本を読破したぼくの側面である。
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