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十日町

この二日間、十日町で出会った中学校の校長先生の顔が何度も浮かんでくる。どこか古畑任三郎に似た、しみわたるような良い声で静かに語りかける、知的な雰囲気をもった魅力的な方だった。一つ一つの話に説得力がある。優しい目をしておられながらも、眼光には鋭さがある。久し振りに、「ああ、中学校の校長先生の目だな……」という目をもつ、印象的な先生だった。札幌の校長先生には申し訳ないのだが、ぼくはここしばらく、ああいう「校長の目」を見ていない。懇親会でのスピーチもうまかった。間違いなく、明晰にして聡明な方である。

懇親会でもずっと隣で話をさせていただいた。話題がぶれない、というか、真剣な話から馬鹿話に至るまで、ちゃんとぼくの質問にまっすぐに応えてくれる、そういうコミュニケーション力の高い方だった。まことに失礼ながら、どこか感受性に通じるものを感じて帰ってきた。

ぼくのこういう直感は割と当たると自負している。もう一度、お会いしたい方である。

それにしても、十日町の妻有会のなんと素晴らしかったことだろう。会長の校長先生のなんとも魅力的な、地域の長老然としたおだやかな語り口、席をともにした別の校長先生の飾らない雰囲気、庭野先生の学校の教頭先生の気さくなお人柄、お世辞抜きにあの一日、ぼくは一瞬たりとも不愉快な感情を抱くことなく、それでいて自然体で過ごさせていただいた。なんとも有り難いことである。

庭野先生はいいお仲間といっしょに仕事をしているのだな、と感じた。これも十日町という町の、あるいは天神囃子という文化の賜物なのだろうか。それとも魚沼コシヒカリの恵みか。あの町にはどこか町を包み込む神がいるように思う。

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