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読むこと/読解教材2

【2日目】

模擬授業19/加藤恭子先生

ぼくは加藤先生の授業を解説者として一刀両断した。理念的なことはわからないでもないのだが、研究会のテーマに正対した研究テーマというか研究テーマが最後まで決まらず、直前まで迷ったままで時間切れとなった授業だったのだろう。そういうことはある。ぼくにも何度も経験があるからよくわかる。しかし主催者のぼくの立場としては、そうした揺れている授業提案を褒めてお茶をにごすわけにはいかない。女性提案者の授業者をばっさり斬るか否か一瞬迷ったが、「加藤先生ならいいや」というのが結論(笑)。それが一刀両断。

さて、「川とノリオ」全文を相手にするという覚悟、主題を体現する人物の抽出、主題を体現する中心人物の人物像の把握、こうした段取りを踏んだこと自体はきわめてオーソドックスな手法で、「文学的文章教材をどう授業するか」といったテーマなら何の問題もない授業だった。

問題はこの授業の中から何を活用させるのか、そのためにとった手立ては何かという、研究テーマに沿った提案がなされなかったことだけである。文学的文章教材の授業で「活用力」をどうつけるかというテーマは膨大な難問なのであり、ぼくだっていまだに未整理である。おそらく加藤先生もここに迷いがあったのだろう。

しかし、それでも自分はこう思う、ということをバーン!と出すべきなのである。研究会なのだから。それが「学力から楽力へ」という抽象的なレベルの文言では何もいったことにならない。「学力」を「楽力」にするための一例を提示しなければならない。「楽力」の要素その1として「大胆なグループ討議を取り入れる」とか、「主題は教師が提示してしまってその検証をし合う」とか、何かこのレベルの提案が欲しかった。

彼女のブログを読むと、10月30日に自分の研究会でリベンジするそうだ。負けず嫌いの彼女らしい宣言で楽しかった。この日はぼくもあいてるなあ……。でも前日が勤務校の40周年記念式典でぼくが仕切り役。飲み会が何時に終わるかなあ……。

模擬授業20/藤原友和先生

実際に意見文を書いてみる。そこから課題を抽出する。その課題に沿って説明文を読んでみる。具体的には課題は文章構成である。

一般的な関連指導とは逆パターンをとった授業展開である。授業展開自体は提案性の高い模擬授業である。やろうとしている理念はよく理解できた。

しかし、いかんせん教材が悪い。その教材を読む必然性がない。しかも、その教材内容を批判しようとしても、人それぞれが許されるテーマであり、批判される側からみれば「私は私。大きなお世話…」というタイプの教材。これはいけない。

環境問題に関する投書を並べるとか、いじめ被害者の遺書を並べるとか、何か批判すべき、議論すべきテーマを設定し、考えるだけの必然性をもたせなければならない。後の本教材として設定されている「人類よ、宇宙人になれ」は決して宇宙関係のテーマにしか対応できないような狭い内容を言っているわけではない。もっと哲学的な文章である。

こう考えると、実は前半の問題意識喚起のテーマは何でもよかったのであり、無理に宇宙に関連させてウケをねらう必要はなかったのである。意見文に引用させるにも教材として提示されている20代女性の文章自体に論理がなく、それに対して論理的に反論させようとする試みに無理があった。

模擬授業21/對馬義幸先生

對馬先生の提案は、図らずも藤原先生の提案と同質のものになった。つまり実際に活動させる。その活動で当事者意識・課題意識を飽和状態に高め、その後に教材文を読んで読みの必然性をつくるとともに情報読みの原動力としていく、というタイプの実践である。

中学生短歌コンクールの審査員としての経験をもとに短歌の質について論ずるエッセイが教材である。これを読む前に、実際に中学生がつくった短歌を参加者に審査させる。しかも4人グループで話し合いをさせて、かなり迷いを生じさせる。そのうえで、教材文を読ませるのである。

実際の模擬授業では、小グループでの審査に授業者が思っていた以上に時間がかかり、教材本文をしっかりと読む時間がなくなってしまったのが残念だった。実際に本文をしっかりと読むことができたならば、参加者の納得も大きく得られたに違いない。

提案性は高かったのだが、ちょっと悔いの残る授業だった。

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