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書くこと

【1日目】

模擬授業4/高橋裕章先生

模擬授業者が一人、家庭にご不幸があって登壇できなくなり、急遽ピンチヒッターとして裕章先生に御登壇いただいた。内容は短歌の創作指導である。

結句の7音を固定し、数種類の初句から四句をつくらせる。それを交流し合う。更に推敲する。評価観点をシェアリングする。授業構成としては文句のつけようのない内容である。

適度な縛り、自己内ブレイン・ストーミング、選材による評価観点の意識化、交流による拡充、シェアリングによる抽象化、批評意識の醸成。キーワードを挙げればこの6つくらい挙げられようか。

運動会や学習発表会後の行事作文と同様、短詩系の創作というのも「活動あって指導なし」に陥りがちな領域である。この点に一石を投じる提案になっていたと感じた。

模擬授業5/木下尊徳先生

「アーチ橋の仕組み」から接続詞を抜き出して順序立てて説明することの大切さを確認。その後、紙鉄砲を実際につくってみて、その折り方を順序立てて小学校1年生に説明する文章を書かせる。更に出来上がった説明文を互いに読み合わせ、推敲させる。その際、順序がわかる表現を赤丸で囲ませ、1年生にわかりやすい言葉づかいを赤四角で囲ませ、わかりにくい表現には波線を引かせる。おおざっぱにいえば、こういう授業である。

授業構成としては典型的な発信型授業といって良いだろう。また、小学校1年生という相手意識の具体化も良い。

ただし、紙鉄砲は初めて書かせるには少々難易度が高いのではないか。また、ワークシートが粗雑な感じというか、寂しい感じがして、どうも意欲喚起に貢献していない。

教材・教具はどんな小さなもの、細かなものでも、授業推進の、或いは学習者の意欲喚起の仕掛けになっているのだという意識が欲しいと感じた。あまりごちゃごちゃ飾るのもダメだが、シンプルすぎるのもよくない。

また、言語技術(ここでは構成)を理解することと、それを使ってみることとの間にはかなりの距離があるのだということをもっと理解して、スモール・ステップで刻むべきところは刻むという意識が欲しい。基本的に「これは教えたね、さあやってみろ」型の授業になってしまっていた感がある。これでできる子どもは6割、戸惑いながらもついていく子が2割、2割は置いていかれる授業に見えた。

ただし、これまで見た4本の木下先生の授業の中ではピカイチ。木下先生の飛躍を示した授業だった。理念的なことを勉強することが課題か。

模擬授業6/小木恵子先生

小木先生の授業はいつも教材開発の視点に驚かされる。今回の教材開発は二点。

一つは市販の薬の取扱説明書を教材化したこと。薬の説明書がどのような論理で書かれているか、用語のレベルがどの程度統一されているか、生命の危険と直結しているだけにこうした細かいところまで配慮されているはずだとする仮説のもとに検証し紹介する。こうしたところに視点を向ける発想がいい。

ただし、これは日常的に触れる題材を教材化しようとする試みであり、10年前ならいざ知らず、現在はこうした教材開発の視点がかなり普及してきていて、基本的にこうした視点は国語教師の1割から2割はもっているだろと思う。

驚かされたのはもう一つの教材開発の視点のほうである。なんと休んだ教師の代わりに自習監督してはいったときに見た、自習課題の難点を教材化したのである。しかも他教科である。こんな発想で教材化を試みたのは、おそらく全国で小木先生以外にはいないのではないだろうか。この人の同僚はおいそれと自習課題もあずけられない(笑)。

授業としては、この自習課題に取り組ませ、その難点を指摘。生徒の自習課題の取り組みを配付して問題点を共有化したうえで、情報のレベルに合わせて視覚化を旨とした再構成をさせるワークシートに取り組ませる。

小木先生が「図解論理教育」と名付けて、プログラム学習的にPISA型学力の全体像を提示しようする試みの一環である。今回も非常に安定感のある、効力感の高い授業だった。

彼女の「図解論理教育」ワークシートの完成を待っている教師は多いはずである。早く完成させて欲しい(笑)。

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