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桃崎イベント、終わる

4月から継続的に行われてきたライフ・ヒストリー・アプローチ的なコンセプトでの研究会が、この連休の桃崎剛寿先生の二つの研究会で小休止を迎えた。一応「小休止」という言葉を使ってみたものの、今後、こうしたコンセプトの研究会が行われるか否かは未定である。今後、ただの一つもその予定は組まれていない。気が向けば続けるかもしれないし、気が向かなければこのまま雲散するかもしれない。

ぼくらの研究会は気まぐれでものすごい勢いで連続的に行われることもあれば、ぱったりとやめてしまってほとんど人前に出なくなることもある。年1回とか年3回とかの定期的な研究会を行っていたかと思うと突如やめてしまったり、しばらくないのでもうやめてしまったのだなと思われていた研究会が突如5年振りに復活なんてこともある。

来年の予定なんか何も決めることなく、なんとなく思いついたときに、思いついた企画を、思いついたペースで行うことが習わしとなっている。

さて、ライフ・ヒストリー・アプローチ的なコンセプトの研究会の最後を飾る講師として、桃崎先生はぼくにとってこれ以上ない講師だった。

まず何と言っても中学校の現役現場教師だったこと。札幌と熊本だからシステム的な相違点もないわけではなかったが、基本的に根幹のところで同じ感覚をもっている。コンテクストに寄ったコミュニケーションと言われればそのとおりだが、しかしそれでも中学校教師同士の共通感覚というものは北海道でも九州でも同様のようである。

次に道徳教育の在り方に関して、ぼくの中である種の止揚ができたこと。誤解を怖れずにいえば、ぼくは文学教育をするために教師になった。それが国語教育界では文学教育を軽視する……というか縮小する方向性が大勢となり、ぼくもそれに従わざるを得ない……というか、その方向を模索し始めた。そしてぼくは文学教育の生き残る可能性を道徳授業の中に見出していた。正直なところ、それがぼくにとっての道徳授業だった。ところが桃崎先生は数学。まったく対極的な思考からのアプローチだというのに、ぼくが考えていたことと共通点がかなりあった。もちろん、相違点もたくさんあったわけだが、桃崎先生の講座はこれらを整理して、もう一度ちゃんと考えてみようと思わせてくれた。

これも桃崎先生の実践の確かさ、そしてマネジメント能力の高さがもたらしてくれたものである。感謝感謝である。

それにしても桃崎剛寿。素晴らしい実践家だった。

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