年齢を重ねることも悪くない
プロ野球がクライマックス・シリーズをつくったことによって、確かに日本のプロ野球は盛り上がるようになった。盛り上がるようになったというよりも、より性格にいうなら、最後までひいきのチームを応援する楽しみをファンにもたせるようになった、というべきかもしれない。
今日もおそらく、札幌ドームは満員だろう。クライマックス・シリーズがなければ、札幌ドームも千葉マリンも既に2ヶ月も前から閑古鳥だったはずだ。そういう意味では、需要側にも供給側にも益のある、良いシステムをつくったものだと感心する。
パ・リーグがクライマックス・シリーズによってなんとかファンの興味を持続させているのに比べて、セ・リーグの3チームの混戦はたいへんおもしろい。そのおもしろさはクライマックス・シリーズがなくてもおもしろいはずのものであり、どこが優勝したとしてもクライマックス・シリーズをもおもしろくさせるに違いない、それを決定づけるようなおもしろさでもある。
94年のいわゆる「10.8決戦」、中日今中、巨人槙原を先発に両チームが同率首位で10月8日に対決した、あの年よりもおもしろいかもしれない。あの試合を決めた落合が、現在監督として首位チームを率いて巨人を蹴落とそう闘っていることにも、なんとも因縁的なものを感じる。
長年プロ野球を見ていると、毎年毎年のゲームというものは、或いは一瞬一瞬の一挙手一投足が見事に因縁としてつながっているなあ……と感じることがある。
おそらく長年同じ仕事に取り組み続けていることにも、長年生きていることにも、同じことがいえるのに違いない。若い頃には絶対に感じることのではない感慨である。年齢を重ねることも悪くない……そう思うのはこんなときである。
ぼくは昭和49年以来、中日ドラゴンズとロッテオリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)のファンである。最近、ロッテファンとして、非国民ならぬ非道民の扱いを受けることに憤慨している。道民として生きづらい世の中になっていることになんともいえぬ不条理を感じている。なにが日ハムファンだ。張本や大杉が活躍していた時代も、背の低いウィリアムスという黒人選手が可愛げにグラウンドを闊歩していたことも、木田がハーラーダビーを仁科と競い合ったことも、ソレイタが4打席連続ホームランで王貞治に並んだことも、何もしらないにわか日ハムファンに、そんな扱いを受けたくない(笑)。
オレは確かにロッテファンだが、おまえたちよりも日ハムの歴史を知っているんだぞォ!と叫びたくなることがある。
| 固定リンク
« 習得・活用・探究 | トップページ | おばはん »
「書斎日記」カテゴリの記事
- なぜ、堀先生はそんなに本をたくさん書けるんですか?(2015.11.22)
- 出会い(2015.10.28)
- 神は細部に宿る(2015.08.20)
- スクールカースト(2015.05.05)
- リーダー生徒がいない(2015.05.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
書き込み失礼します。
すごく共感するものがあります。私は落合ファンなので、ロッテ、中日、巨人、日ハムを応援していました。
道内のメディアもロッテファンだったら悪者とか、そういう風潮があります。相手あってのプロ野球だと思うんですけど。
それが嫌でプロ野球ファン、プロ野球オタクをやめました。最近は興味があまりありません。
何も知らないオバハンの道内TV局中継の応援メッセージには酷いものがあります。
ちなみに、落合ファンなので、クライマックス方式に反対です。賛否両論ありますが、9、10月に勢いのあるチームが日本一になるから嫌です。ペナントレースの価値も落ちたなぁと思います。
投稿: おーにし | 2010年9月28日 (火) 19時34分
阪神の調子が上がってきて……というか、相手に目的が無くなったために消化試合的になってきて、阪神が調子に乗り始めていますね。これでは中日と同率でゲーム差無しでCSになだれ込むことになってしまう……そういう展開になってきました。これは阪神が巨人を蹴落としたら、ちょっと中日はあぶなくなってきましたねえ(笑)。まあ、いいですけど。
投稿: 堀裕嗣 | 2010年10月 6日 (水) 23時32分