« 動き続けること | トップページ | 問いと答え »

活用力への第一歩

「第12回国語科授業改革セミナーin札幌」が終わった。「研究集団ことのは」と「教育実践サークルDNA」が共同で進めていく形になった研究会である。国語教育界の今日的な課題について、実践的に提案していくことを旨としている。

今回のテーマは新指導要領の「活用力」と「言語活動例」とを意識した授業モデルの模索。「ことのは」の堀・山下、「DNA」の南山・高橋・山口のほかに「北の教育文化フェスティバル」の山田洋一くんを加え、6人で新指導要領国語科の授業モデルを次々に提案していった。

山下くんは詩歌の活用力に培う学習活動の在り方の提案を、「DNA」の3人は視点の転換によって文学作品に描かれている世界観を広げることに重きを置いた提案を意識したようである。山田くんは文学的文章教材の授業をいわゆる「発信型授業」に転換していく場合に、子どもたちにどのように見通しをもたせるかということに力点を置いた。どれもこれからの国語教育、新指導要領の国語科授業像を考えていくときに、かなり重要になる視点ばかりである。

隠れたテーマとして、「プレ教材」をどのように位置づけるか、発展的な活用力育成の学習活動のバリエーションをどのように広げていくか、という2点が色濃く反映されていた。これも今後、取り組んでいかなければならないテーマであることを実感した。

さて、この日のぼくの役割は、第一に、文学的文章教材における「習得・活用・探究」の授業像について基調提案すること、これが50分。第二に、山口・高橋・山下の3本の模擬授業を解説すること、これが15分程度。第三に、「活用力」育成に培っていくために学習者に意見交流させる方法をいくつか紹介すること、これが模擬授業形式で45分。三回の登壇場面があった。

基本的に今回のぼくのコンセプトは、学習者に全員参加を保障しつつ、確実に意見交流させるシステムについて、実感的に理解してもらうことに重きを置いた。そのために、「バズ・セッション」「グループ・ディイスカッション」「ファシリテーション」「ワールド・カフェ」「ギャラリー・トーク」を2本の講座の中にふんだんに盛り込んだ。その分、文学教育観に関することとか、文学教材をどう読むべきかとか、そうした理念的なことを一切捨てた。新たな文学的文章教材の授業モデルを提案していくうえで、必要な段階の一つだと割り切っての提案である。

夜は、またまた「悪いヤツ」の飲み会になった。

|

« 動き続けること | トップページ | 問いと答え »

書斎日記」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 活用力への第一歩:

« 動き続けること | トップページ | 問いと答え »