教育実習生・4
実習生の〈語り〉に安定感が出てきた。
これが出てくると、いよいよ〈横の学習活動〉の第一歩が始まる。つまり、小集団交流を指導案に入れる段階に来るわけだ。
そのためには、これまで一斉授業でやってきたことを取捨選択するか、スピードを上げて時間をつくるか、どちらんかをしなければならない。何せ、教師が説明すれば3分で済むことについて、生徒同士の交流で気づかせようとするわけであるから。時間的には10分から12分かかることになる。
これまで指導案に入れていた一斉授業を基本に考えていた学習事項について、割愛したりスピードアップしたりしながら、50分の中から8分程度を産み出そうというのであるから、これは実習生にとっては大変な作業である。我々にとっては簡単なことだが、実習生にとっては大変な作業である。
これを明日の授業の課題として課した。
そうした指導案を彼がつくってくればもう一段高い指導をするし、そこから彼が逃げればその階段を昇らない指導をする。それだけである。ぼくはどちらでもいい。
彼が挑戦するような実習生なら無限の可能性をもつ教師になるかもしれないし、彼が挑戦しなくてもそれなりの教師にはなる。どちらになっても、教育界に損失はない。彼が前者を選んだときに、教育界に貢献する教師が生まれる可能性がほんのちょっとだけ増える、それだけのことである。しかもぼくは、そこまで面倒を見られるわ゛けでもない。
教育実習生の担当教諭という仕事はそういうものである。
実習もあと4日となった。
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