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3ポイント、ゲット!

いろいろな意味で有意義な2日間だった。

第一に、「ライフヒストリー・アプローチ」の手法に「焦点化」の視点が加味されたこと。司会をした石川晋が意識していたのか、或いはしていなかったのか、この点に関してまだちゃんと話していないのでわからないのだが、かなりグラフィックと質問項目がリンクして、弱いところを補強しながら質問を積み重ねていくということが、これまでよりも格段にできていたように思う。もちろん、まだまだ発展していくのだろうし、発展させていかなければならないのだが、その方向性は見えてきた。形が整っていく「萌芽」といえる90分だったように思う。

第二に、ぼくのファシリテーターの手法が、ある程度「ファシリテーション」といえるものになってきたこと。ただ単に岡山さんの見よう見まねに、ぼくがよく使っている観点整理を中間まとめとしてほどこしただけだったのだが、かなり大きな成果が挙がったように思う。成果が挙がったというのは、今回のファシリテーションが満足のいくものだったという意味ではない。これまた、ファシリテーションの時間をどのように構成していくべきかという方向性が見えたということである。もし、この会に藤原くんがグラフィックを施していたならば、もっと可視化された形で進んでいったはずだ。

第一の点、第二の点ともに、先週の岡山さんの手法を間近で見、見ただけでなく自分がその題材として扱われ、更にはそれが機能していく体験をできたということが大きい。

第三に、「ふたり会」の構成フォーマットが決まったこと。これは今回の「ふたり会」がうまくいったという意味ではない。今回の「ふたり会」は実はうまくいかなかった。結果的に、野中先生の主張の枠組み外のことを堀・石川でしつこく聴き続ける結果になってしまい、野中先生には大変申し訳ない思いをさせてしまった。参加者にも申し訳ない展開になってしまった。ただ、次からは大丈夫である、という確信を得た。「ふたり会」の一日の構成自体を組み替え、ぼくら二人にとっても、講師にとっても、そして参加者にとっても有益な一日を、質を落とすことなく、というかぼくらが「ふたり会」で本当にやりたいことをちゃんと踏まえたうえで、ちゃんと楽しい研究会として構成するフォーマットを決めることができた。

次からの池田修先生、上條晴夫先生、桃崎剛寿先生ともに、まず間違いなく有意義な研究会になっていくと思う。繰り返しになるが、野中先生には意識していなかったとはいえ、結果的にぼくらの実験におつきあいいただくような形になってしまって、大変申し訳なく感じている。

簡単に言うなら、鼎談という形で意見をちゃんと言い合って「議論」をしようとするのならば、今回のように野中先生だけが提案をして、ぼくらがインタビュアーのようにやっていてはダメだということである。ぼくらも事前に提案して、場にいるすべての方々がその差を認識した上でやらなければならなかったのだ。それがないから、結果として野中先生にはぼくらの意図が伝わらず、ぼくらは説明を長くしなければならない立場に陥り、参加者にもそれが散漫とした、漠然とした議論にしか見えないということになってしまったのである。

参加者にちゃんと説明せずに伝わっていなかったことをアンケートで改めて知ったのだが、ちらしに謳っていた「鋭い教育」とは今日議論の俎上にのぼっていた「規律訓練型権力に基づいた教育」のことであり、「優しい教育」とは同じく議論にのぼっていた「環境管理型権力に基づいた教育」(ぼくらは「環境調整型権力」と呼んでいるのだが)のことだったのである。しっかり伝えることを旨とする教育から、なんとなくその気にさせる教育への転換……といった意味合いだと思っていただければいい。

2日間、よく語り、よく飲み、あまり寝なかった。明日からの仕事のために今日はこのくらいにしておく。野中先生からの具体的な学びについては明日以降に。

では。

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