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絶滅危惧種

自然界に絶滅危惧種があるように、教育界でも絶滅危惧種を意識させられることが多くなった。

例えば、不良とかワルとか、ひと昔前(いや、ふた前だろうか)には教育界に君臨し、数々の映画や漫画に描かれた生徒像がほとんど絶滅危惧種となっている。中間トオルのリーゼントとか加藤ヒロシのリーゼントパーマとか菊リンのパンチパーマとか、最近はついぞ見ることはない。いま床屋でアイロンが使われることなどあるのだろうか。今度床屋に行ったとき訊いてみよう。

例えば、研究する若手教師というのも絶滅危惧種になっている。ぼくはここ3校で9人の新卒教師と出逢ったけれど、彼らには一人残らず実践埋没型教師だった。日々の公務に精一杯で、かつてぼくや森くんがしていたような、公務とは別に、家でしこしこ教材研究をし教育書を読んでいるというような感触はまったく感じられない。酒を飲む席では純粋に酒の席を楽しみ、子どものことを語ったり授業のことを語ったり、ましてや教育について議論をするなどという姿はほとんど見られない。ぼくから見て才能豊かに思える若者でさえそうである。

そういえば、先輩教師が酒席で若手に説教をするという場面もほとんど見られなくなった。もちろん、ぼくだって酒席を純粋に酒席として楽しむタイプなので、他人をことをとやかく言える立場にはない。昨夜、学生時代の友人3人と新年会をもったのだが、そこで交わされる会話のほとんどが教育の議論であったことを考えるとき、その差に驚かざるを得ない。ぼくはこの20年間で「後輩に期待する」という気持ちを失ってしまったように思える。

職能の伝承……これこそが絶滅危惧種なのかもしれない。

不良やワルがいなくなったというのも、「あいつは不良だ」「あいつはワルだ」というレッテルを貼るというメンタリティ自体が絶滅危惧種化しているのだという現実がある。

学校で方々に見られる絶滅危惧種を探してみることにしよう。ちょっとだけ気にかけていれば、いくらでも見つかるに違いない。

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