関係する女 所有する男
「関係する女 所有する男」斎藤環/講談社現代新書/2009.09.20
精神科医にしては床屋談義の域を出ない論述ではある。頁を折った箇所もずいぶんと少ない。男の欲望が言語的であり観念的であるとの指摘はずいぶんと古くからなされてきているし、所有原理と関係原理をまとめた230頁の表もさして新しいものとも言えない。
しかし、読み物としてはなかなかよくできていて、具体例も楽しめるものが多い。読んで損はないと思う。
これを読んでいて、かつて学生時代に渡辺淳一や澁澤龍彦の性差論を好んで読んでいた頃を想い出した(笑)。ただ、彼らの方が西洋の文学者(例えばサドとかマゾッホとか)を具体例に引いていて、当時はずいぶんと高尚に思えていたような気がする。自分が成長したということか(笑)。
どうも斎藤環は「社会的ひきこもり」で颯爽と登場した頃に比べて、商売に走りすぎている感は否めない。まあ、そういうのも必要ですけどね。
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