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ふうせん

探してみると、意外と簡単に見つかった。厚別中学校時代のものは二つの段ボールにまとめてあった。そのうちの一つに、当時の指導案や別の学級文集、卒業アルバムといっしょに新卒の学級1年2組の文集「ふうせん」が入っていた。

早速開いてみると、先日の講座で扱った自作の詩は一つの連がまるまる抜けているということがわかった。この「わすれもの」は担任の巻頭言とともに見開き2頁で掲載されている。

「ふうせん」札幌市立厚別中学校1年2組作文集創刊号

   わすれもの

 なみだ
 ときにかなしくて
 ときにくやしくて
 ときにうれしくて

 夕暮れの帰り道
 たて笛のメヌエット
 たんぽぽのわたが
 風とたわむれて

 放り出されたリュックサック
 机に貼ったシール
 徹夜で縫ったハチマキ
 校庭に折れたミニスキー

 なにもかもがなつかしい
 おおきなおおきなわすれもの

  《 昭和六十三年七月 真駒内にて 堀 裕嗣 》

人は、
自分が小さかったときのこと、
覚えているようでなかなか覚えていないものです。
それはすぐに忘れてしまうからです。
あの時、
「何を考えていたのか」と思うとき、
これをご覧なさい。
きっと、
「わすれもの」を見つけることが出来るでしょう。

これが全文ですね。

うん。我ながらいいことを書いています。24歳の新卒にしては上出来でしょう(笑)。

Akikoは「イスの音」という文章を寄せている。Kazuは「水泳での奇跡」、Yokoは「市民大会へ向けて」という作文を書いている。1学期で転出したShinnosukeの作文もちゃんと載っている。当時、絶対にShinnosukeの文章も載せるのだと、使命感をもっていたのを想い出す。

いまのぼくを知っている人には想像もつかないだろうが、ぼくはかつて、まぎれもない「綴り方教師」だった。しかもたった5年間だけ。どうも「わすれもの」を見つけてしまったようである。

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コメント

今回は、懺悔コメントです。
僕の「わすれもの」は、中学の仲間との友情です。なぜかというと、僕は、みんなに対するわだかまりがあったからです。
そのきっかけは、成人式でした。僕は、成人式当日、「久しぶりにみんなに会える!」という思いで、ワクワクしていました。そして、僕はその思いが強すぎた余り、破目を外し過ぎてしまいました。そのために、一部の女性陣に不快感を与えました。後日談として、この一件が親にばれて、もめる事態を招きました。その数年後、被害者数名に謝罪して関係は修復しましたが、この一件がトラウマになり、精神面は極端に酷くなりました。kumasannに迷惑をかけたことがあるほど自殺願望者になり、もともとあった狂暴性が強くなるどころか、格差社会を意識する余り、狂気性と凶悪性が加わり、傍から見れば危険人物に思われるほど、いつ僕が犯罪者になってもおかしくないレベルになりました。度重なる自分のミスで、一時期「家族の中で、僕は浮いているのでは」という疑問が浮かんだこともありました。その疑問は、厚別北小の仲間に対しても同じで、ここ数年、厚別北小系の仲間と再会する機会がなかったため、なかなか拭いきれずにいました。
しかし、先生のおかげでこの疑問が薄れていき、今朝、この記事を見て「成人式の失敗が、これほど自分を苦しめる事になるとは思わなかった。自殺や犯罪で、その苦しみから逃げていた。なんて恐ろしい事を考えていたんだ…。神様仏様、どうか罪深い僕をお許しください…」という思いで、仕事中でありながら泣きそうになりました。
今の僕は、先生に対する感謝とみんなに対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。長い文ですいません。今回は、自分の「わすれもの」を思い出させてもらい、ありがとうございました。

投稿: 厚別中学校卒業元3-6平井 壱武(かず) | 2010年1月27日 (水) 21時17分

オレにはよくわからないが、長い間の霧が晴れたようで、よかったですね。一般論としては、成人式でハメをはずすことくらいはあるでしょうが、Kazuのことだから多少のことじゃなかったんでしょうね。まあ、いい人生勉強をしたのだと思いなさい(笑)。

投稿: 堀裕嗣 | 2010年1月27日 (水) 23時04分

先生のおっしゃる通り、この一件は多少のことじゃなかったんです。「オレは、生きる価値ない人間の象徴なんだ」と思って、やけになった事もあった位、後遺症が残っていました。3年前、父方の祖父の死で、年賀状を出せなかったことがきっかけに、洋平との絆が途絶え、疑問が深まっていただけ(今年は出しました)に、喜びもひとしおです。この場では取り上げることが出来ない失敗がたくさんありますが、ごく一部にとどめておきました。ありがとうございます。

投稿: 厚別中学校卒業元3-6平井 壱武(かず) | 2010年1月27日 (水) 23時45分

あ、一連抜けてたんだ(笑)
タイトルが却下になった理由はちゃんと憶えてるけど、「ふうせん」は誰か別の人がつけたのかと思ってた。
私の記憶力だめだなぁ。

内容は全くおぼえてないんだけど、しんのすけショー楽しかったよね。

投稿: Akiko | 2010年1月28日 (木) 14時01分

うん。記憶力ダメ。ちゃんと目次に「タイトル」立案にきみの名前がクレジットされてる(笑)。

投稿: 堀裕嗣 | 2010年1月29日 (金) 22時09分

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