風来坊
たぶん、ぼくの人生において最も回数を聴いているアルバムはこのアルバムだと思う。このアルバムを買ったのは確か小学校5年生の時のこと。すべての曲が歌詞カードを見なくてもソラで歌える。
「水色の木もれ陽」のギターの前奏がかかっただけでもうダメである。思いは小学生に戻ってしまう。昔から細坪さんのボーカルも山木さんのボーカルも、そして二人のハーモニーもぼくにとっては珠玉だった。
このアルバムを聴くと、当時の6年2組という学級の一人一人の顔が浮かんでくる。顔だけじゃない。学級編制なく3年間を過ごした4年2組から6年2組へと至る3年間のエピソードが次々に甦ってくる。
真駒内の片田舎で秘密基地をつくろうと6人で穴を掘ったこと。
毎週火曜日にクラスの男女6人で英語を習っていたこと。
毎週金曜日の午後にに学級対抗で野球をやっていたこと。
毎週土曜日は、誕生会だといってはいつもだれかの家でパーティを開いていたこと。
転出していくクラスメイトのトラックをみんなで見送ったこと。
みんなで歩いて藻岩山にスキーに行く途中にはぐれて泣きそうになったこと。
ミシンの使い方を習って運動会のためにはちまきを縫おうとしたのにぼくだけがボロボロだったこと。
もう数え上げたらキリがない。あの3年間があまりにも楽しくて、あの3年間が卒業式でばらばらになるのが悔しくて、「ああ、自分は先生になろう」って決めたんだったっけ。
放り出されたリュックサック、机に貼ったシール、徹夜で縫ったハチマキ、校庭に折れたミニスキー。なにもかもがなつかしい、おおきな、おおきなわすれもの。
そんな、たくさんのわすれものが、このアルバムにはいっぱい詰まっている。
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コメント
うわぁ、なつかしい!
「わすれもの」だっけ?
全部UPして欲しいなー、「ふうせん」実家だからもう読めないんだもん…。
投稿: Akiko | 2010年1月19日 (火) 14時20分
ようこそ。きみはよくそんなことを覚えているねえ(笑)。「ふうせん」はオレの手元にももう1冊しかない。しかも段ボールの中……。どこにあるかわかんない。でも、1冊あることは確か。そういや、学級文集なんて、もう10年以上つくってないよ。いいことを想い出させてくれました。
投稿: 堀裕嗣 | 2010年1月19日 (火) 23時17分