24Km
【YAHOOニュース/2010.01.26.16:37】
北海道美唄市大富の無職朝倉清司さん(80)が車にひかれ、約24キロ離れた奈井江町の路上で遺体で見つかった事件で、自動車運転過失致死などの容疑で逮捕された左官業松本英樹容疑者(47)が、調べに「ゴンとぶつかった後、何かを引きずる感覚があった」と供述していることが26日、道警への取材で分かった。/美唄署などによると、松本容疑者は25日に逮捕された際、「雪の塊にぶつかったと思った」と供述し容疑を否認。ひいたのが人かどうかの認識についてはあいまいな供述をしている。
24Kmである。すごい話だ。引きずられた80歳の男性も気の毒だが、引きずった方の47歳の左官屋さんも気の毒だ。普通に考えれば、この男性は人を引きずっていたことに気がついていなかったのだろう、と思われる。わかっていたら、24Kmもの長い距離を引きずるはずがない。もしもわかってて引きずったのだとすれば、それはちょっとぼくらの想像を絶する倒錯した話になってくる。
この件、1日前の記事ではこう書いてある。
【時事ドットコム/2010.01.25.11.55】
北海道奈井江町で2日、車にひかれ、約24キロ引きずられたとみられる美唄市大富の無職朝倉清司さん(80)の遺体が見つかった事件で、道警美唄署は25日、月形町の左官業松本英樹容疑者(47)を自動車運転過失致死と道交法違反の疑いで逮捕した。同署によると、「雪の塊みたいなものにぶつかったと思った」と容疑を否認している。/逮捕容疑は2日午後6時15分ごろ、美唄市大富の道道上に倒れていた朝倉さんを車でひいて死亡させた疑い。/道警交通捜査課などは、松本容疑者の車の底に毛髪が付着していることなどから、同容疑者が朝倉さんをひいた後、美唄市から奈井江町まで約24キロにわたり引きずったとみている。DNA型鑑定などで、毛髪が朝倉さんのものかどうか特定する。/朝倉さんは2日午後6時すぎ、美唄市大富の道道で倒れているところを通行人に発見されたが、その後見当たらなくなり、奈井江町の奈井江大橋上で遺体が見つかった。同課などは、朝倉さんが道路上に倒れていた経緯も調べている。
要するに、被害者は道路に倒れていたということだ。1月2日。雪はどのくらい積もっていたのだろうか。もしも被害者の上に雪が多少なりとも積もっていたとしたら、自分も同じことをしていたかもしれない……そう思うとぞっとする。
通行人に発見されたのに、その後、見当たらなくなった……というのは、どういう状況なのだろうか。どうもうまく想像できない。通行人の方が救急車を呼びに行っている間に加害者が引きずっていってしまったということなのだろうか。
数年前の冬、学校の帰り道、信号待ちをしていたところ、道を渡っているおじさんが突然倒れたことがある。信号待ちをしていた車の人たちは、ぼくを含めてすぐに救急車を呼んだ。近くの店の人たちも仕事そっちのけでそこに集まってきて協力してくれた。結果的に、そのおじさんはただの酔っぱらいだったのだが、ぼくはその人たちの動きを見て、この国もまだまだ捨てたものではないな、と思ったものである。
この男性が倒れていたという大富という場所がどういうところなのか、ぼくは知らない。もしかしたら、近くに家や店などなかったのかもしれない。だから近隣住民がぼくが経験したような動きが出来たのか否かもわからない。いや、近くの人に助けを求めているうちに、こういうことになってしまった可能性だってある。ただ、「通行人」というからには、発見者はおそらく歩行者であったはずである。ということは、そんな寂しい場所でもないだろう。頭の中はこんなふうに、あっちこっちにぐるぐるとまわっていく。
ふう。
それにしてもいたましい事件である。
朝倉清司さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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