変わること
ぼくらの研究会のもち方に変化が見られ始めている。
今週末の「中学校・学級経営セミナー」は第一講座がポスターセッション形式。第二・第三講座の進路関係こそ全体演習講座だが、第四講座はワールドカフェ形式。
プログラムとして見ていくと、次のようになる。
講座1 ワークショップ「職員室の人間関係学」司会:石川晋/堀裕嗣・森寛・山下幸・田中幹也/ポスターセッションで堀・森・山下・田中が提案。参加者と差し向かい、少人数のQA。これを4サイクル。更に全体でのシェアリングが30分。
講座2 年度末の大仕事!進級認定・卒業認定・推薦書に伴う指導力・事務能力/堀裕嗣・山下幸/推薦書・自己アピール文の添削演習、及び添削観点のレクチャー。進級認定・卒業認定時期の不登校生徒への対応法を事例提案。
講座3 進路指導大詰め!小論文指導・面接指導の極意/森 寛・田中幹也/入試作文の指導法観点のレクチャー、面接指導演習。
講座4 ワークショップ「中学校教師の力量形成」(含・Q&A)/司会:石川 晋/堀裕嗣・森寛・山下幸・田中幹也/ワールドカフェで堀・森・山下・田中のそれぞれがファシリテーターとなって、少人数グループでワーキング。これをおそらく4セット。更に、20分程度の共有化・可視化。
要するに、「伝える研究会」から「生み出す研究会」を志向し始めるということだ。メンバーは不安だらけだが、だれも反対しない。こういうときには、何かが生まれるものだ。そして、数年後に「あの研究会がエポックだったね」と振り返られることになる。まあ、それなりに成果が挙がればの話だが。
もう一つ。
来週末の「国語科授業改革セミナー」。こちらは2本の30分模擬授業を90年代に「授業づくりネットワーク」が流行させた「ストップモーション授業検討」で具体的に検討しようというもの。これも成功すれば、授業検討の新たな動きになっていくだろう。
簡単に言えば、ぼくらは「授業づくりネットワーク」の手法をいつまでもそのまま援用するつもりはない。すべての手法には必ず不満が生まれ、必ずもっと伸ばしたい長所が見えてくる。長所を大胆に発揮できるように改良し、短所を最小限に抑えるための抑制をかけることは、ぼくらの得意とするところである。そうした挑戦を来年から始めるための、一つの転機となる研究会である。
大きな流れで言えば、いよいよコンテンツを整理する時期が終わり、失敗を怖れることなく新たなものを生み出す時期に入りつつある、ということである。この二つの研究会で何かがつかめたら、ぼくらは活気づくだろう。
ぼくらが活気づくと、自分でいうのもなんなのだが、手がつけられなくなる(笑)。
最後に別の視点で。
かつてこのブログに「おまかせします」という文章を書いたことがある。何も考えずに適当にその日思ったことを書いた駄文なのだが、割と評判のよい駄文で、いまでも毎日幾人かにアクセスされているようである。
今回の「中学校・学級経営セミナー」は晋ちゃんに、来週の国語科授業改革セミナーは山下くんに、会の司りを丸投げした。まさに「おまかせします」である。無理難題に近い責任をおっかぶせられると、人は「挑戦的なこと」を考え出すものである。しかし、この「挑戦的なこと」を考え出すことも、ある程度の力量がないと考え出せないものである。
更に言えば、それを成功させるにはその何倍もの力量を必要とするはずだ。今回の二つの研究会は、ぼくらの力量がどの程度のものなのかを測る一つの基準になる。
ただし、ここでぼくの言う「成功」は、「ストップモーション授業検討」や「ポスターセッション」や「ワールドカフェ」といった手法がうまくいくかどうかを意味しない。正否の基準は、この二つの研究会が「何かを生み出すか否か」だけである。
ぼくらはこの基準感覚だけで、もう20年以上も実践研究の場に立ち続けている。
その昔、野口先生が「できることより変わること」を合い言葉に、国語科授業づくりの一時代を築いたが、ぼくらはこの原理に大いに賛同している。
この年末、自分たちが「変わること」に、少なくともそのきっかけを得られることに、ちょっとだけ期待している。
| 固定リンク
「書斎日記」カテゴリの記事
- なぜ、堀先生はそんなに本をたくさん書けるんですか?(2015.11.22)
- 出会い(2015.10.28)
- 神は細部に宿る(2015.08.20)
- スクールカースト(2015.05.05)
- リーダー生徒がいない(2015.05.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント