ウェブはバカと暇人のもの
『ウェブはバカと暇人のもの』中川淳一郎/光文社新書/2009年4月
久し振りに実体験を本音ベースで語る、それでいて問題提起性は非常に高い、そういう新書を読んだ思いがする。ただこれがぼくにとって役立つか…というと微妙なのだが(笑)。
ぼくが買ったのは第6版。半年で6版だからまずまずヒット新書といっていい。つい先日、郊外型店舗にCDレンタルと書店が併設しているような「本屋とは呼べない本屋」で平積みにされているのを見て、なんとなく買って読んでみた。
これは読む価値あり。
「ウェブの可能性」に期待しながらも、また、「ウェブ」を自分の生活の一部にしっかりと位置づけながらも、だれもが潜在的に感じざるを得ないでいた「ウェブの限界性」、だれもが予感していたおそらくは圧倒的に大きいであろう「ウェブのネガティヴな側面」を、ウェブで食っている人間が豊富な具体例と構造的な分析とで解き明かしてくれている。それも、たぶん自宅にネット環境があるという人なら、だれでも間違いなく理解できる、そんな内容のみで構成されている。
ほどよい過激な描写もスパイスと照れ隠しが併存していてとても心地いい(ただし、この点だけは賛否両論があるかもしれない)。
文体は平易、それでいて様々な配慮がなされていて、かなりメタ認知能力の高い著者だとわかる。見事なものである。おすすめ。
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