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学力構造論の不毛性

明日のセミナーの講座準備が完了した。

国語科授業づくりの基本的発想~〈目的〉と〈方法〉、〈指導事項〉と〈学習活動〉の関連

という途方もない講座タイトルである。なんとか60分講座のPPTをつくった。それもぼくにしては珍しく、参考文献を何も見ることなく、自分の実践の構造だけを拠り所にしてつくってみた。

できあがって思った。

ああ、ぼくは学力構造論に踏み込み始めているなあ……と。

学力構造論は教育研究をする者が必ず踏み込み、挫折していく、そういった馬鹿げた体系論である。学力構造をモデルで語っているうちは、まだ補助線を引くようなものだから、モデル開発者もそれに凝り固まるということがない。しかし、学力構造を論として体系化したと思ってしまうと、それに凝り固まり、思考が固定化し、頑固になり、最終的にはだれにも相手にされなくなる。ぼくはこれまでそういう人を何人も見てきた。

そもそも学力構造を論として体系化できるはずなどないのである。そんなことができるのなら、教育研究がこんなにも多様化し、こんなにも諸派諸説入り乱れるはずもない。

自分の立てた論を疑ってかかる視点だけは忘れたくないものである。

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